獏(ばく)

真夜中

いつ眠ったのか覚えていない

真綿で首を締められるような

悪夢ゆめからやっと目覚めて息を吐く

眠りと現実の狭間で

頼りなく震えている


逃げていて

それでも逃げきれないことを

何処かで知っていて

恐れていて

でも理不尽さに憤っていて

どうにもキモチワルイこの感情


ばく

悪夢を食べてくれるというばく


このやり切れなさと頼りない感情ごと

全部食べておくれ


ゾワゾワが残る身体を

両手で擦り続ける

どうしたら振り払えるのか

わからないまま無意識に

夜明けまではまだ長い

わたしのばくは何処にいるんだろう

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