せっかの短歌

せっか

秋が泣いてる

 街も木もただ灰色の雨の日に、秋が死んで、僕は生まれた


 後悔と罪悪感はモンブラン 悲劇に浸る愉悦は甘露煮


 骸骨と 魔女と鴉と あと君と 墓場で踊る気随なハロウィン


 訪れる幾夜が月の影法師なら、満ち欠けは月の鼓動だ


 太陽の血を飲み干した錦木の紅が滑った、秋が泣いてる


 毒林檎はやっぱり秋だ。早ければ早いほどいい、摘むも捨てるも。


 どことなく掴みどころのない秋は 触れないうちにはらはら散って


                            @2020.11.04

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