5 帽子屋の憂鬱

大人びた女性がタキシード姿の男性にエスコートされていく。僕は入り口で足を止めた。ここから先は入れない。ふと彼女と目が合った。が、彼女はすぐに興味を失ったように隣にいる人に笑いかけた。アリス、戻ってきておくれ。僕はいつでも君のためにお茶会を開くから、だからせめて僕の名前だけでも……

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