あの単細胞バカが恋する相手がまさかこんな、天花粉の匂いを漂わせながら死を呼ぶ毒を含む花のような少女と、鮮血の薔薇の美女を選ぶとは思わなかった。

 そう、蠱惑的で背徳の魅力を放つ彼女達が好ましいと思うのは、誰にでもあけすけに笑い合う者ではなく、自分のような太陽の光を厭い、深淵を覗きたがる存在に決まっているのだから。

 何が黄金に輝く猪グリンブルスティだ、悪名高き狼フローズヴィトニルだよ。

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