ピクルス

山脇正太郎

ピクルス

ハンバーガーに

はさまっていた アレ


ごちそうの中に

とつぜん出てくる

非ごちそう


指の先で

ペロンと取り出し

トレイのすみに

片付ける


ああ もったいない

大人になって

その味のよさに

気づいたのだ

食べ残さなければ

よかった


食わず嫌いで

逃げてしまった体験が

本当は

ごちそうだったのかもしれない


トレイのすみの

ピクルスが

うらめしそうに

僕を見つめる


食べずに捨てた

ごちそうの視線が

怖くて

僕は目をそらした

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