短編集

みくんとく

1.お見合い(合コン)


この国にはある年齢になるとお見合い(合コン)をして結婚相手を探すことが決められている。

サーシカル公爵家の愛娘マレも今年その参加年齢に達したので屋敷内は大慌てで準備が進められている。


『今日は我らの愛娘マレのはじめてのパーティー参加日失敗の無いように準備を進めよ』

『服はこちらでよろしいですか?』

『今日は曇りゆえ予備のもう少し明るい色のを』

『かしこまりました』

『アクセサリーは我家の家宝を』

『かしこまりました』


そんな周りの様子とは打って変わって


「この御味噌汁凄く美味しいけどだしは何を使ってるの?」

「…マレお姉様…」

「ん?」


今日の主役は優雅に朝食を食べていた


「今日は貴方の合コンでしょうが!!!」

「御味噌汁冷めないうちに食べないともったいないわよ。ララ御味噌汁のお替り」


……サーシカル公爵家長女マレは同い年のご令嬢とは少し…かなり…だいぶ…コッホン

個性的な趣向を持ち合わせた令嬢である

なので今日の合コンも本人は全く慌ててはいなく両親に妹のフェレのほうが慌てていた


「何呑気に朝食食ってんだよ!」

「フェレ?どうしたの?」

「どうしたじゃねーよ?今日は貴方の合コンでしょうが!早く準備しろよ!!!」

「まあ。そうなのね〜フェレも一緒に行ってくださるのよね?」

「マレ様お替りの御味噌汁です」

「ララありがとう」


侍女のララからお替りをもらい笑顔でお礼を言って食事を進める

そんな姉を見て妹フェレは溜息しか出ない


「マレお姉様何度も言いますが…わたくしは幼馴染のリューシユル侯爵家の長男ワトロ様との婚約が決まってます」

「あらあら。そうだったわね〜」


昔からこんな性格のマレ王国主催の合コンでは絶対に見合を失敗すると考えたサーシカル公爵

マレが10歳のときに知人のリューシユル侯爵に見合いを頼んだのだが…

なんとリューシユル侯爵家の長男ワトロはサーシカル公爵家の次女フェレに一目で恋をしてしまい長女マレではなく次女フェレとの婚約を結ぶことになった

その後も知人にお願いするもなかなか縁を結ぶ事は出来なくて本日を迎えた


因みにサーシカル公爵を継ぐのは兄のサユアス

サユアスには奥様もいるのでサーシカル公爵家は安泰です

後もうすぐ子供も生まれます


話を戻して…


「マレお姉様女性は支度に時間がかかるのですよ!しかもそんなに食べたらドレス着れないですよ…」

「そうね〜じゃあこれを食べたら支度に取りかかるわ。ララお願いね」

「かしこまりました」

「……」


お替りもちゃんと平らげ歯磨きと湯浴みをし

ようやく合コンの準備に取りかかり

いよいよ出発の時間

公爵夫人とフェレは疲れた表情でマレと公爵を玄関先でお見送りした

その時二人は思った


『『マレ(お姉様)に良い御縁がありますように』』











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