生まれ変わったので魔法使い目指します
原作は↓になります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054935284597
一人称作品なのであまり大幅にいじれた感じはしませんでした。
細かい文章の整理や説明の付け加えが主です。
行頭一字空けや感嘆符の後に一字空けをしないといけないケースにおいて空いてたり空いてなかったり、書き方のルールが統一されていない点が特に気になりました。
俺の会社は某大手の曾孫請けで、軽バンで宅配便を請け負っていた。 不況の煽りも何のその、日曜出勤当たり前! 休日? 何それ、美味しいの?って、感じの会社だった。 ブラック企業万歳だ、クソッタレ。
今日も当たり前の様に残業で、残り少なくなった配達物を指定時間に間に合うように運んでいたが、エレベーターがモタモタしていたので階段で運ぶ事にした。
9階だったしすぐだろうとダッシュで上り、配達物を渡したその帰り、エレベーターはまだ同じ場所でモタモタしてやがった。 どこのバカが停めてやがるんだ?
待ってられんと、気が逸った俺は即決断し階段を駆け下りたが、その途中で窓越しの星空が目に飛び込んできた。 日もとっぷりと暮れてしまったことに思わず「今日も日付が変わるまで仕事かぁ……」と呟き、駆け下りてる最中なのについ見上げてしまった。
それがイケなかったと思う。 いや、イケなかった。
足元に注意して歩きましょう。 幼稚園で教わることだ。 俺は幼稚園児以下か?
一瞬、気が抜けた俺は階段を踏み外し、池田屋も真っ青な階段落ちを披露してあっさり意識を失った。
享年48歳という短い人生であった……おしまい。
とはならず、俺は目が覚めた。 あんな間抜けなことでグッバイ現世なんてことにならなくてよかった。 素晴らしきかな人生。 生きてるって素晴らしい。
生きてるなら仕事が待ってるな。 全くもってして素晴らしくないが仕方ない。 俺はもそもそと藁から這い出……藁?
振り返って今しがたまで潜っていたそれを見る。
藁だ。 見たことないが藁の山だ。 暗くて分かりづらいがまごうことなき藁の山だった。
どうやら俺はアルプスの少女ハイジよろしく、この藁の山に潜り込んで寝ていたらしい。 なぜ?
記憶が曖昧で色々な情報が頭の中でミックス野菜ジュースの様にごちゃまぜに成ってる事がわかる。 この甘さはどの野菜?等と考えられない程混ざり合い、何でも良くない?美味しいんならっと、妙に納得してしまう様な感覚だ。
分かり辛いかね? そうだろうそうだろう。 俺も分からないのに、俺以外に分かられてたまるか! 野菜ジュースなんか嫌いなのにそんなもん例えに出す時点で察してくれ。
取り敢えず外に出てみよう。 この中は暗くて何がなんだか分からない。 外に出れば何かしらの情報が入るだろうと思い、手探りでドアを開けて外に出たが……暗いことには変わりはなかった。
月明かりも無いとかどーなってんだ!と、悪態をついたところで無意味だろう。 こういう時は動かず立ち尽くす方が、無難なんだよ。
遭難した時は下手に動かないのがベスト。 そうすりゃ人生の遭難者の俺に誰かが救いの手を差し伸べてくれるってもんだ。 救いの手がなかったら? グッバイ現世だな。 うん、それは嫌だ。
「おい、何ぼーっと突っ立ってんだ? 起きてるなら働けよこのグズ」
いきなり声をかけられるのと同時に、頭をスパーンッ!っと叩かれた。 ひどい救いの手もあったもんだ。
叩いてきたやつの方を見ると何やら明かりが目に差し込んでくる。 その明るさに少しホッとして「おはよー」と挨拶。 挨拶は社会人の基本だ。
「サッサと行け!」
……挨拶も返ってこないで手が伸びてきて、襟首掴んで投げられた。
わけが分からんが何となく分かったことはある。 これ、俺じゃないだろ? 俺だけど俺じゃない。 世界が違う。 だってこのオッサン、どう見たって日本人じゃないし。 見覚えもないのにこっちのことは知ってるみたいだし。
これはあれか? 別世界の別人になっちまったってやつか? ラノベか? いや、むしろトワイライトゾーンor世にも奇妙な物語orあなたの知らない世界って感じだな。 分からなかったらググれ。
何か凄い世界にきちまったなー。 一体どんなとこなんだ、ここは?
投げ飛ばされて地面を転がり、五mほどでようやく止まった俺は頭を振りながら起き上がり周りに広がる世界を見渡す。 仕返しは後にしてやるから以下略。
そこは見渡す限りの畑が広がった農場だった。
何だここは?──とかって、普通は考えたり思い出したりする場面だったりするじゃん? 普通(のラノベ)ならさ?
そんな間も余裕も無くいきなり働かされてんだけど。 こんな夢のない話(ラノベ)があるか?
何でこんなことになってるかと言えば、投げ飛ばされた後のことなんだがな。
「おら、チビ助! 何を黄昏れてやがんだ?」
周りを見渡して呆然としている俺をそっとしておいてくれるほど、世界(オッサン)は優しくなかった。
俺を投げ飛ばしたオッサンに呼ばれて振り向けば、ホレっとばかりに渡される三本ホーク。 いきなりそんなもん出されても何をするかなんて分かるわけがない。
こいつを使う作業と言えば何だったか……何か思い浮かばないかとそのホークを見つめてるとすかさずスパーンッ!と合いの手のごとく入る引っぱたき。
相手を見ると、怒りの形相で俺を睨みながら指を横に突き付けている。 指を指す方向へと視線を向かわせるとそこには、草が山のように積まれていた。
正確には牧草の山だろうか? 乾燥した黄土色でカサカサしてるやつだ。
で、働けって突き出されたのがこのホークだろ? 周りを見ると牧草に纏めて刺して牛っぽい生き物にあげていた。
……あー! 映画だかドラマで見たことあるぞ、あれ!
「餌やりか」
──ゴツンッ!
納得して呟いたところで、合いの手が今度は拳で頭に入れられた。 打てば響くとはまさにあのことだろう。 響くのが俺の頭なのがたまったもんじゃないが。
あまりの痛さに頭を抑えて蹲ったよ……痛いなんてもんじゃない。 で、見上げれば山の様なオッサンが俺を見下ろしてまた睨み付けてる。
「サッサとしろ! 終らねーだろうが!」
って言うわけさ。 なんで、そっからは一心不乱に働いたよ、見様見真似でさ。 また拳骨喰らいたくないし?
おまけに「ったく、何寝ぼけてやがんだよ」とか横やら後ろから聴こえるのよ、愚痴が。
多分、俺に言ってんだろーけどさ、俺まだ自分の名前さえ思い出せて無いんだぜ? そもそも、ここ何処よ?──なんて考える暇すらねーの。
生まれ変わってもブラックとか酷くない?ってブツブツ言ってたら、今度は蹴りだよ蹴り。 尻に入ったよ、バチーンって。 「浜○、アウトー!」なんて声が頭に響いたね。
尻を擦りながら後ろを見たらさ、ガキが睨みながら言うんだよ。 「コイツまだ寝てんじゃねーの?」ってよ?
多分この人たちの挨拶は暴力何だろーね。 うん、そう考えると色々納得できる。 でだ、郷に入りては郷に従えって言うよな。 だからさ、同じ様に蹴りで挨拶し返したのよ。
「この野郎! 兄貴に蹴りくれてんじゃねーぞコラァ!」
挨拶(暴力)が何倍にもなって返ってきたんだけど……
顔は痛ぇし、更に後ろからも殴られるし何なの本当に……
「真面目にやらねーと飯抜くぞ、ガキ共!」
っていう声でせっせと動き出した兄貴らしいガキとその他のガキたち。 なかなか真面目じゃないか。 感心感心──
「お前もだ!」
元ブラック社畜視点で感心してたらバチーンと頭を叩かれた。 よく分からない中、真似してホークで牧草刺して働きましたよ!
しばらくすると、ようやく太陽が思い出したかの様に昇ってきてさ、周りが見える様になってきたんだよ。
見た感じとしては農家は農家でも酪農家みたいな家業なのかね? あんまり詳しくないけど。
俺入れて七人くらいで牛みたいな奴に餌あげてたよ。 それが毎朝の仕事なんだろうな。 食わなきゃこいつら(牛もどき)死んじゃうし。
まあ結構な数いる牛もどきに餌をやり終わってようやく朝飯だった。 ゾロゾロと煙の上がる家屋へと向かうやつらを見送ってから改めて周りを見たのよ
柵に囲まれた場所に牛もどきが十数頭居て牧草をワサワサ食っててね。放牧地とは違うのか分からないが、柵の中だけで暮らしてるみたいだった。
その冊の周りは一面草原の様で何も無かった、無かったって言っても少しくらい木々は合ったけど……なんて言えば伝わるかなぁ……と、考えていたら
「クソチビ、早く来い! 飯は全員で食うんだからよ!」
と、高校生くらいのお兄様が怒鳴るもんで向かいましたよ、走って……俺の名前チビなのかな? 少し不安になってきたよ……
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