第167話 学園祭の出し物を決めよう!
●世界観説明
舞台:西暦2040年の日本
突然超能力者が生まれるようになり18年なので超能力者は全員18歳以下。
ただし、スプーン曲げや予知能力者など、旧型の超能力者なら大人はいるが、力は弱い。
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翌日の9月11日火曜日。
一時間目はロングホームルームとなり、俺らは学園祭の出し物を決めることになった。
黒板にとってかわった巨大MR画面と教卓の間に立つ鶴宮先生が、手を叩いて、みんなの注目をキビキビと集めた。
「ではこれから、学園祭の出し物を決めます! 皆さんの努力と一部の尊い犠牲のおかげで、うちのクラスは学園祭のホームページとPVの先頭を手にしました。その名誉に恥じない、最高の出し物にしましょう」
鶴宮先生が言い終わるや否や、みんな、次々手元のMR画面をタップし始めた。
巨大MR画面には、生徒たちが送信した書き込みが次々表示されては、同じ書き込みは統合されていく。
飲食店 展示会 脱出ゲーム お化け屋敷 縁日 演奏 演劇 ダンス
――どれも定番だな。あと、さっきからずっとメイド喫茶って表示が点滅しているんだけどなんだ?
「うぉおおおおおおお、メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶メイド喫茶」
「ヒーリングチョップ!」
「メイドきっさブルァ!」
16連射を越えた18連射のタップを披露していた詩冴は机に突っ伏して沈んだ。
苦笑しながら、美稲が軽く手をあげて言った。
「あ、あははぁ……ところでメイド喫茶は置いといてなんだけどみんな。一般の人たちも来るんだし、どうせなら私たちならではのことをやったほうがいいんじゃないかな」
美稲の言葉に、みんなハッとした。
言われてみれば、一般の人たちに超能力者への理解を深めてもらうために、学園祭には一般の人たちいも来てもらう予定だ。
なら、超能力を使った出し物にするべきだろう。
「あたしらならではって、たとえば何すんのよ?」
詩冴にチョークスリーパーをかけながら、茉美がきょとんと首を傾げた。
顔と首から下の絵面格差がヤバい。むしろエグい。
美稲がちょっと困っているので、俺が例を出す。
「ようするに真理愛や麻弥の占いの館とかか?」
「うん。そういうこと、なんだけど……」
「ああ。俺の案だと、真理愛と麻弥が休めないし、俺らはやることがない。早百合次官も言っていたけど、それが俺らの弱点だ」
超能力者の力はまさしくチート。
反面、本人がその場にいないと発動しない、という最大の弱点がある。
「中には詩冴のオペレーションみたいに一度使ったら半年も効果が持続するのもあるけどな」
自分で言って、閃いた。
「じゃあ詩冴の猫カフェとかどうだ?」
クラスの女子たちが、ちょっと黄色い声をあげた。
かなりの好感だ。
茉美のチョークスリーパーで土気色の顔をした詩冴の白目に光が戻った。
「なるほど! 猫メイド喫茶っすね!」
「無理やりメイド成分いれんな!」
「ぎゅぴっ!?」
茉美が詩冴の首をひねると、不穏な声が漏れた。
――詩冴、次に生まれてくる時はもっと頭のいい子におなり。
愛すべき馬鹿にコンマ一秒の黙とうを捧げてから、俺は教室のみんなに向き直った。
「あと桐葉のハチミツやプロポリス、ローヤルゼリーを使ったメニューを出せばどうだ? あらかじめ桐葉が出しておいてくれれば、桐葉が休憩で抜けても、俺らで調理できるだろ?」
みんなはそろって「おぉ」と感嘆の声を上げた。
「ハニーって勉強は苦手だけど地頭はいいよね」
「言われてみるとハニーって割と閃きタイプよね」
「ハニーさんはアイディアマンです」
「そ、そうかな?」
桐葉と茉美と真理愛に頭がいいと言われて、ちょっと、いや、けっこう嬉しい。
やっぱり、好きな女の子に褒められるのは気分がいい。
「そうっす、ハニーちゃんは頭が良くて閃きのあるアイディアマンっすよ、ぐへへ、ところで社長、メイド喫茶に興味はございやせんかすか?」
「なんだろう、お前に褒められても少しも嬉しくないな」
俺が詩冴のことをどう思っているか、一目瞭然だろう。
クラスの女子たちも、ドン引きしている。
「だってみんなのメイド姿見たいっす見たいっすぅ~! エロメイド服着てくれないと猫カフェに協力しないっすぅ~!」
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本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。
みなさんのおかげで
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達成です。重ねてありがとうございます。
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