第2話 2021年1月2日

 福岡県在住の田中カ子が生年で確証のある日本人として初めて118歳を迎える。


 白沢って怪物が身延山に現れた。

 白沢はくたくは、中国に伝わる瑞獣(神獣・聖獣)の一種。人間の言葉を解し万物の知識に精通するとされる。その姿を描いた図画は魔除け(厄除け)として用いられる。現代の日本においては旧字体で「白澤」と表記されることもある。


 中国明代の百科事典『三才図会』によると、東望山(江蘇省徐州市銅山区)に白沢という獣が住んでいた。白沢は人間の言葉を操り、そのときの為政者が有徳であれば姿をみせたと言う。そのような生態から、白沢は麒麟や鳳凰などと同類の瑞獣とみなされる。


 その姿を描いた図画が『三才図会』や日本の『和漢三才図会』にも掲載され描かれているが、その姿は白い獅子とされている。


 一方で、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた白沢は、頭には牛のような二本角があり、下顎には山羊のような髭を蓄え、眼が額にもう一つあり、更に胴体の側面に眼が三つあり、もう片方の側面にも三つあるとすれば合計で九つの眼をもっている。


 白沢が三眼以上の眼を持つ姿は石燕以降と推測され、それより前には三眼以上の眼は確認できない。たとえば『怪奇鳥獣図巻』(出版は江戸時代だがより古い中国の書物を参考に描かれた可能性が高い)の白沢は眼が二つである。この白沢は、麒麟の体躯を頑丈にしたような姿で描かれている。


 永倉は身延山にやって来た。

 山麓の標高400m付近に日蓮宗総本山である身延山久遠寺があり、山頂にも日蓮が父母を偲んで建立したと言われる奥之院思親閣がある。身延山の参拝客のほか、頂上からの眺望がよいため観光客も多く訪れる。


 身延山の周辺には鷹取山(1,036m)、七面山(1,982m)などの山があり、いずれも日蓮宗の修行の場でもある。


 山頂へはロープウェイで7分程度で登れる。山頂部には奥之院と3つの展望台が設置されており、東と南側展望台からは富士山がよく見え、天候がよければ駿河湾、伊豆半島を見晴らすことができる。特に3月中旬および10月上旬には、富士山山頂から日が昇るダイヤモンド富士が見られるため、前後数日の早朝は観望や写真撮影の客で賑わう。北側展望台からは南アルプスや甲府盆地、七面山や早川町の町並みが眺望できる。


 山腹には雑木林が分布するほか、杉が植林されている。周辺には『甲州盆歌』に歌われたナンテンが見られ、山頂にはカタクリも自生する。「仏法僧(ブッポウソウ)」と鳴くことで知られるコノハズクや、ニホンカモシカ、イノシシ、ツキノワグマなどが生息する。


 久遠寺境内付近から標高差約760m、50丁の参道があり、東側の尾根を回って登れ、徒歩で約2時間30分の道のりである。途中の25丁にある三光堂までは自動車も入れるよう舗装されているが、一般客は自動車では進入できない。この参道入り口をやや下ると身延山ロープウェイの久遠寺駅があり、山頂まで約7分で到達できる。また、他のルートとして、早川町方面からの登山道があり、身延町の飛び地である七面山方面に通じている。この参道の途中からは山の南西を巡って日蓮の草庵のあった西谷方面に下山できる。

 

 横浜に行って中華街で大量殺戮したら、かなりの数の怪物を倒せるはずだ。そしたらコロナも収まるんじゃないか?


 身延山ロープウェイは身延山の山麓と山頂を結ぶ三線交走式の索道(ロープウェイ)である。現在富士急行の持分法適用会社となっている身延登山鉄道により建設され、1963年(昭和38年)8月23日に開業した。当初、身延山山頂へはケーブルカーによる輸送を計画し工事が進められたが、軟弱な地盤や法面の崩落などによりこれを断念し、ロープウェイに変更された経緯がある。山麓の久遠寺駅、山頂の奥之院駅の2駅間の斜長1,665m、標高差763mを約7分で運行する。標高差763mは関東一である。平常時は20分おき、繁忙期には増発や運転時間延長もある。


 1981年(昭和56年)に2代目ゴンドラとして日本ケーブル/武庫川車両により製造された定員45名のもの2両が用いられていた(それぞれ「たちばな号」「ぼたん号」と名づけられていた)。2011年(平成23年)7月に搬器・駅などがJR九州や両備グループの各車両や富士急行の「富士登山電車」などのデザインを手がけた水戸岡鋭治によってリニューアルされた。


 2代目導入から40年が経過することから2021年(令和3年)1月31日を以て運行を一時休止し、3代目ゴンドラに置き換えることが発表された。新ゴンドラでの運用は2月23日より開始される。2021年2月23日から運用されるゴンドラ2両は「知恩号」「報恩号」と名づけられた。


 1号車「知恩号」(定員41名)外装は朱色で内天井には久遠寺天井画の墨龍が描かれている。

 2号車「報恩号」(定員41名)外装は藍色で内天井には七面山敬慎院の天井模様が描かれている。

 

 永倉は追い越し車線で1台のトラックを追い越す。しかし追い越した直後より、今度はトラックが永倉の車を追いかけ回してくるようになる。


 幾度となく振り切ったように見せかけては突如姿を現し、トラックは列車が通過中の踏切に永倉の車を押し込もうとしたり、警察に通報する永倉を電話ボックスごと跳ね飛ばそうとするなど、次第に殺意をあらわにしながら執拗に後を追ってくる。

 永倉は大型車の不利な峠道へと逃げ込むが、出がけに立ち寄ったガソリンスタンドでラジエーターホースの劣化を指摘されており、車は峠道の上り坂でオーバーヒートを起こしスピードダウンしてしまう。なんとか峠の上にたどり着いた永倉だったが、運転を誤り車を岩場に衝突させてしまう。車がしばらく動かなくなってしまうが、上り坂で再びエンジンを掛けて走る。


 逃げ切ることが難しいと悟った永倉はトラックとの決闘を決意し、峠の途中の崖へと続く丘にトラックを誘い込む。車をUターンさせてトレーラーに向かって走り、正面衝突する直前に飛び降りるが、衝突の炎と煙で視界を奪われたトラックの運転手は永倉が車ごと突っ込んできたものと思い込み、そのまま崖に向かって走り続ける。崖に気づき、慌てて急ブレーキを掛けるものの、ホーンを鳴らしながら、永倉の車もろとも崖下へと転落。辺りには2台の車が落下しながら捻じれ軋む音が咆哮のように響く。永倉は崖から2台の残骸を見つめながら決闘から生還した事を1人喜ぶも、その表情はすぐに晴れやかさを失い呆然と佇む。


 死んだと思っていた運転手が崖をよじ登ってきたのだ。

 運転手の正体は李の仲間の張だった。  

「往生際が悪いな!?」

 永倉は張を鬼龍丸で袈裟に斬った。

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