詩作【綱渡り】

 前方に長く延びるロープ

 下方は黒い奈落の底

 安全な場から一歩踏み出した


 頼れるのは己のみ

 止まってはならない

 早まってはならない

 不確実な感覚で均衡を得る


 ひたすら進む

 身をすくませるな

 胸を張れ

 恐怖の感情を飼い慣らす


 終点で待つ君

 祈りに震える瞳を見据える

 その瞳が歓喜に満ちる瞬間

 これに僕は命を懸ける

 

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