雨の中の少女

 ある雨の日。

 公園に傘も差さずに立っている少女がいた。

 僕は迷った末に彼女の所へ走り寄る。

「傘貸してあげるよ」

 彼女は何も言わずにこちらを見ている。

「僕は大丈夫。家に帰ったら温かいココアを入れてもらうから」

 僕は無理やり彼女に傘を持たせて走って帰る。


 公園には傘を差した少女の像が残された。

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