追いたい【背中】

 トランペットを吹く彼に憧れて吹奏楽部に入った。

 私の前で演奏する彼の背筋はいつもピンと伸びていた。

 彼は私の青春だった。

 最後の演奏が終わる。

 もう彼の背中を見て演奏することはない。

 胸が苦しくなり想いを彼に伝える。

「いつも僕を追ってくれていたね。これからは並んで歩いてほしい」  

 涙が溢れる。



 

 

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