時と場合を考えて【拡声器】

「ねぇ、私のこと好き?」

 彼女が小声で尋ねてくる。

「もちろんさ」

「じゃあ、これ」

 手渡されたのは、ラッパ型の拡声器。

「みんなの前で私への想いのタケをぶちまけて」

「いや。無理」

「なんで!? やっぱり私のこと好きじゃないんだ!」

「今騒いだら見つかっちゃうから」


「僕たち、ゾンビと交戦中だろ」




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