ウサギ小屋のラプソディー
仙ユキスケ
第1話 ウサギ小屋当番の順番
「クラスの皆さん、ウサギの世話は立派なお仕事です。手を抜かずにしっかりとやりましょう。日付のくじを引いたら、何日になったのか先生に登録して下さい」
と先生が言ったのを皮切りに、くじが回覧され始めた。
私、
くじを開いてみると私は8月5日だった。
「――ああ、私は8月7日だぁ……」
「里香ちゃん、どうしたの?」
「私ね8月に入ったらすぐにお盆の頃まで、田舎のおじいちゃんの家に行くんだ。だから、ウサギ小屋の当番どうしようと思って……」
里香ちゃんはすごく困った様子だ。
私はというと、別に暇だしなぁ……、そうだ!
「私はどこにも行く予定ないし、代わりにやってあげるよ」
「えっ? ……いいの? まゆかちゃん、本当にいいの?」
「うん、大丈夫。私、ウサギ好きだしね」
「じゃあ、お礼にお土産買ってくるね。まゆかちゃん、ありがとう!」
里香ちゃんは嬉しそうに小走りで、その事を先生に伝えに行った。
終業式までには正式な当番表が配られるだろう。ウサギの世話や小屋の掃除は1人では大変なので、ペアを組んでやる事になっている。
2回くらいウサギ小屋当番をやる事なんて、全然平気。
それよりも夏休みがすごく楽しみ。朝寝坊できるし、毎日プールにも行こうっと。
教室の窓から見えるウサギ小屋を尻目に、頭の中は、すっかりお花畑状態だった。
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