【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 総評
「第5回ドラコンノベルス小説コンテスト」応募作
【王朝流離譚】限りなく無慈悲な皇子の溺愛 〜超絶不憫系の主人公は薄っぺらな愛情なんて欲しくない〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330655694416935
作者 雨 杜和
※総評
まず貧民窟で始まり、南煌王国のウーシャンの家へと連れてこられたシャオロン。
ウーシャンから巨雲皇国と三つの王国の存在を知る。
ここでこの世界のあらましを示しています。
儀式のため瑞泉山に集まった女性ふたり。ムーチェンとメイリーン。
ここから三名による勝ち抜き戦が始まる。
「儀式は山神が決める」は伏線なのかな?
第一の儀式は祠からの脱出。武器を持たせた意味は。素手で破壊できないからか。
第一の儀式が終わり、ポイントの確認。
そしてシャオロンの素性が明らかに。
ワンヨの用意した女が現王を追い落とすための罠だった。これは初めて触れる情報かな。初稿にはなかったはず(記憶が定かではありませんが)。
ここでターニング・ポイントを迎えて第二の儀式へとなだれ込む。
第二の儀式、小邪鬼戦からのムーチェン抜け駆けで五毒蜘蛛戦。
そしてメダルをかけたバトルへと進展しての思わぬ結果。
ここで全体の3/4にですから、ラストの浮き上がりのための落とし込みはとても効果的ですね。
分量の盛り上がりから見ても、この第二の儀式が最も興味を惹きます。
ここを経たことで、最後の第三の儀式はどうなるのか、を読み手に提示できています。
残り1/4の第三の儀式は主人公の成長を見せる構成ですから、ここでシャオロンが本領を発揮するのがよい展開です。
第三の儀式での一対一のバトルシーンは、迫力もありますから読み応え抜群です。
儀式の後のエピローグ部分。ここでしっかりと物語世界を閉じられるか。
冒頭3話での伏線であったワンヨが資格のない女を用意したことも明らかとなり、 12年前に毒を用意したのもジャオンイーに指示されたワンヨだった。
これで物語の大勢は決し、新時代はウーシャン体制で運営されることになるようですね。ウーシャンとしては信頼できる兄であったヘンスに委ねたかったようですが。
そしてラストの世界語り。また別の作品で同じ世界観を使える布石でもありますね。
まあ実際使うかどうかはそのときにならないとわかりませんが。
出だしの1/4、起承転結の起で貧民窟から南煌王国へ。
50%までで第一の儀式を終えてターニング・ポイント。
第二の儀式の終わりでいったん沈んで高く飛ぶ準備をする。
そして3/4から第三の儀式を行なって、シャオロンの活躍で一挙に逆転する。
そして残り10%ほどで物語を閉じる起承転結の結が閉じるところを書く。
物語を25%ずつに分けて、それぞれに出来事を起こす。そして導入と終幕でドラマを入れる。
ブレイク・スナイダー氏『SAVE THE CATの法則』で見ても構成はとてもよかったですね。
あとは完結ブーストが入るかどうかなので、タグと紹介文を工夫してみてください。
きっとさらに多くの人が読んでくれると思いますよ。
それでは総評は以上となります。
長きにわたる連載、お疲れ様でした。
著者様、次なる作品に期待しております。
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