彼が死ぬまで (※えっち注意)

春嵐

01 めりあ

「痛いなあ」


 彼が、私の奥にそれを放つとき。


 いつも、おなかの奥のところがぎちぎちと、軋む。


 そしてすぐに、それは曖昧になって。なんとなくどろっとしたような、不思議な気分が私の下半身を覆う。


 彼との行為も。回数を重ねてはいるけど。


 最後の瞬間の、この軋みだけは。いつまでも、慣れなかった。どのぐらいで軋みが来るかなんとなく分かってきたので、最近はその瞬間に身体と心の準備はできるようになった。


 彼は。


 それだけを済ませると、眠る。


 私の腕の中で。


 なぜか、泣きながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る