透明人間

母と意見が食い違った

私は意見の意図を伝えようとした

母は反抗期だといって取り合わない


父と考え方が食い違った

私は父の考え方が嫌だったから、

笑いながらふざけながら人間性を疑うといってみた

私の家族に対するせめてもの抵抗だった


姉のセンスと私が合わなかった

耐えられなくて、思わず吐きそうになった

あまりに気持ち悪かったから強めに拒否した

姉は怒ってしまった

すべて私が悪いらしい


我が家では会話のキャッチボールなんてものは行われない

されるのは会話のドッチボールである

末っ子の私の話はすり抜けていく

私の話は誰もまじめに聞きはしない

唯一取り合ってくれた兄はずいぶんと前に家を出てしまった

私は家の中でも独りぼっち


外では私は聞き役に徹する

私の話なんて誰も聞きはしない


透明人間にでもなったかのようだ

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