誕生日でしたがとっても普通な日でした。いえ、普通以下？

彼が残業で、ご飯は一緒に食べられないと。

私は自分の作ったご飯を一人で食べました。寂しい……。

毎年もらえるプレゼント。今年は無理かな、仕事じゃ。

「ただいま」

彼が帰って来た。

「おかえり！！

ねえ、プレゼントは？」

「何？プレゼントって」

「え、毎年くれる手紙だよ」

「あー、忙しくて書けなかった」

そうだよね、と意気消沈。付き合いだしてから、毎年の年に一度の手紙のプレゼント。私にとっては何より嬉しいプレゼントで、楽しみにしていたんだけどな。

すっかりしょげている私に、

「嘘嘘。はい」

と彼は手紙を渡してくれた。

急いで書いたのが分かる文字。内容も仕事の合間に書かれたのが分かる。

忙しい中、書いてくれたんだなと思うと本当に有難い。彼の不思議キャラ全開の手紙だったけど、私は三度読み返して、にんまりと笑った。

「ありがとう！！」

特別な料理も、物のプレゼントもないけど、私にとっては、この手紙が世界一嬉しいプレゼントです。

ということで、バッグに入れて持ち歩く手紙が増えました。

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