第十二話『アマリリス』
「ッぐう、AAA
――そして、即座に適切な呪文を行使した!
諦めてないのだ。この虹の竜の姫は。
目の前の圧倒的な格上の強者を前にしても怯えることなく反抗を続けている。
(イまのダメージを半減化できた。これで残り体力は、7割程まで戻したぞ! まだやれる! 俺様の武器は、体力の膨大さ! 奴の魔力が尽きるまでやってやる!)
そこに、竜姫の目の前にいた敵対者であるゴールドが、言葉を掛けた。
「素晴らしい」
突然のゴールド。黄金の騎士からの称賛の言葉。
(コいつ。なにお)
当然。訝しんだ。
しかし、ゴールドは、構わずに言葉を投げかけ続ける。
「久しぶりに、思いに残る戦いだった。それが言いたかった。さあ、続きをしよう」
特に何でもないという風に、ゴールドは剣を再び構える。
(コいつは……)
そんなゴールドの感傷を見て何を思ったのか、虹の竜姫も感傷を同様に行った。
「アマリリス」
「ん?」
「アマリリス。俺様の真名だ。十三俗物帝も知らない。プレイヤーで知ったのは、黄金の騎士。お前が初めてだ」
「そうか、アマリリスか」
「アあ、俺様は、アマリリス。最強の竜王。天神竜の一角。そして、お前を斃す者だ」
その覇気に、ゴールドも嬉しそうに応じる。
「私の名は、ゴールド。サタンパーティの盟主にして、ジェネシス・七大魔王の称号を持つトッププレイヤーだ」
アマリリスとゴールド。互いに言いたいことを言った。
後は、只ぶつかり合うのみ。
「それでは始めよう。可憐な虹の竜姫アマリリス。俺達の。俺達だけの戦いの世界へ!」
「来い! 黄金騎士ゴールド!」
戦いは遂に佳境に入った。
そして、両者ともに行ったのは、同じことだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます