幕間4『十三俗物帝』
『どうやら忘れてないようだね。600年前に戦ったプレイヤーの集団【十三俗物帝】を』
「……ッウ、奴らは滅んだ」
『そうだね。確かに私たちは、十三俗物帝を滅ばせた。12体いた天神竜のうち、4体は蘇生不可、1体は、ついこの前まで死んでいた。そんな多大な犠牲を出しながら勝利できた』
「フん。悪かったな、ついこの前まで死んでいて」
『そう、だから忘れて貰っては困る。私たちは、十三俗物帝に完全に力負けしていた、その事実を』
「……」
『私たちが勝てたのは、十三俗物帝が仲間割れをしたこと。そして何よりも”ルシタニア”。彼女というプレイヤーの捨て身の助力があったればこそ勝利できた』
「……ダが。奴らはもういない」
『確かに、十三俗物帝はいない。でも彼らに従う【使徒】は、生き残っているよ』
「ナに? ……そうか。だが、プレイヤーならともかく、NPC如きに遅れは取らない。問題ない」
『確かにNPCの力じゃ、私たちには脅威にならないかもしれない。しかし状況によっては、寝首を掻かれるかもしれないよ』
「フん。なら枕を低くするさ、いい加減切るぞ」
これで昔話は、終わりだと告げる虹色の天神竜。
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