第十八話『黄金のカーテンコール』
「ああ。人間種じゃ無理だな」
答えてくれたのは、いつの間にかすぐ目の前にまで迫っていた黄金の騎士。
そう黄金の騎士なのである。
見た目は全身甲冑なので中身は判然としない。
だからこそ提示されるであろう答えを恐ろしく感じた。
その恐怖を感じながらも問わなければと思う隊長。
だから疑問は口から漏れ出した。
「あ、あなたは、なんだ?」
「ん? ああ。そうか。そうか。一応偽装して、羽を仕舞ってきたのだったな。……では分かりやすい答え合わせといこうか」
『バサリ』と。
音が鳴ると同時に、十二枚の眩い黄金の輝きを持つ『天使の翼』が背中から生えた。
「ぁああ」
その黄金の翼を見たとたん四十人全員が、足に力が抜け、地面に倒れてしまった。
全員一人も例外なく虚脱状態に陥てしまう。
やはり宗教関係に深い神官程ショックが大きい光景なのだろう。
そう、今のゴールドの姿。
ソレは正に、最高位以上の天使に見えるのだから……。
「じゅ、十二枚の翼!? ま、まさか!? セ、熾天使(セラフ)以上の枚数のつ、翼ぁ……。あ、あなたさまは、神? ぷ、プレイヤー様なのですか?」
全身を震わせながら、自身の見解を述べる隊長。
「ほう。そういう風に認識されているのか。興味深いな」
隊長が力なく呟いた言葉に興味深そうに反応した。
(運営が用意した設定か?)
「まあいい。さてそれでは、終幕してカーテンコールに移ろうか――」
――その言葉を最後に神官陣営の意識は暗闇に沈んだ。
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