第十四話『メイド姫騎士でボク子か……』

 「はあああああ! 雷槍銃撃トールランチャー! 七連セブンアクション!」


 所変わってゴールド達が、魔法によって覗き見していた現場では、現地人同士の死闘が行われていた。


 叫びながらある騎士が細長い剣、レイピアと呼ばれる種類の剣を高速で槍の様に連続突きを行った。



 すると槍状の電撃がレイピアから飛び出していく。

 7連続の突き。



 その数と同数の電撃槍が、敵陣営が召喚した七体の天使たちに着弾。

 同時にその体を貫いた。



 敵陣営である神官たちが、召喚し使役しているバトル天使エンジェルは、見た目は非生物、人工物という印象の2対の白き翼を有し、剣と盾を持った銀色のロボット天使である。

 


 そんなロボット天使に対し、その装甲ごと容易く貫く攻撃を、七つ同時に行って見せたこの騎士は、現地人では相当な使い手だろうことが分かる。



 「ちぃ! 流石ピースメーカー王国三騎士の一角! 〝レティシア・メドナイト・ピースメーカー〟! 容易く首級を取らせてはくれないか!」


 敵対している神官達の隊長である男も、そう評価しなければいけない程、この目の前の騎士レティシア・メドナイト・ピースメーカーは、強敵であった。


 「はあ、はあ。まだいけるよぉ。皆は、ボクが守るよぉ」


 息を多少乱しながらもレティシアは、目の前の敵対者を打倒す為剣を力強く握り、次の行動に備えた―― 




――そんなレティシア達を見つめる第三者が近くに潜んでいた。


 (なんだあの女騎士? 近くで見るとまた奇怪な恰好しているなぁ)


 奇怪な恰好とゴールドが評する程に、彼女レティシアの恰好は変わっていた。

 なんせメイド服に鎧甲冑を付けた、ジェネシスでも中々見られない程可笑しな装備だったからだ。


 レティシア自身は非常に整った容姿をしており。まだあどけなさを残した少女であった。


 年の頃は、15、16ぐらいだろうか。


 髪は、太陽の輝きのような綺麗な金髪。

 髪型は、可愛いお団子頭のシニヨンにしてツインテールにした個性的な髪型である。


 体のスタイルは、鎧状のメイド服で分かりづらいが、胸は中々豊満で、出るとこ出て引き締まるところは引き締まっているナイスバディである。


 「うふふ。お父様ぁ。あの女騎士の職業、かなりレアかもしれないわぁ。メイド姫騎士ですてぇ」

 「メイド姫騎士? なんだそれは? ジェネシスでは、そんな職業なかったぞ。流石異世界といった所か……」


 ゴールドが、彼女の見た目に疑問を覚えている間に、隣に随伴していた輝夜が魔法で探査した結果をゴールドに知らせてきた。


 どうやらレティシアは、奇怪な見た目に反さずにレアな存在らしいことが分かった。


 使用する剣技だけでなく職業までも未知の存在。

 そうと分かれば今後の行動は、決定された。


 「よし。影の結界シャドウステルスを解除し、救助するかレアキャラを……」


 行動を開始したその時ちょうどに、戦いも新たなターニングポイントに入っていた。


 

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