勇者の名は?(2023年3月28日)
景色も内容もファンタジックな夢を見た。
わたしは聖女と呼ばれるような感じの人になっていて、ローブの上から薄いベールのようなものを羽織っている。
バルコニーに出て、眼下の聴衆に演説を始めた。
時刻は夕方。青い空を夕陽がオレンジ色に染めようとしていて、向かい側の小高い丘の上に立つお城も夕日に染まって素敵だった。
わたしが演説を始めると観衆が静かになる。
「今、わたし達のいる国はドラゴンの襲撃を受けようとしています。
わたし達が取れる手段は二つ。
逃げるか、戦うか。
過去にも似たようなことがあり、書物に記されています。
人々は戦うことを選び、街や城を戦闘用に改築しました。
ドラゴンはとても強く苦戦をしますが、あきらめずに戦っていると、のちに勇者と呼ばれるようになる騎士がやってきて、ドラゴンと互角の戦いを始めました」
演説はここまで順調だった。
だが、わたしはすぱーんと忘れてしまったのだ。
その、勇者の名を!
頭の中真っ白な状態だ。
集まった人たちは話がクライマックスに近づいていることに興奮し、歓声をあげている。
ここで打ち切るわけにはいかない。
だが思い出せない。
古の書物は控えの間に置いてきている。
これはどうにかして書物を読むしかない。
そこでわたしのとった行動は、突然ののどの不調を訴えて、バルコニーから引っ込むことである。
普通ならブーイングものだよね(笑)。
でも観衆は何の不満も口にせずに待っていてくれるようなのでわたしは部屋に下がって喉スプレー(笑)でのどを潤しつつ、書物のページをめくって勇者の名前を必死に探していた。
ここで目が覚めた。
喉スプレーって! と起きてすぐにめちゃ笑えてしまった。
書物を手に持ってバルコニーに行けばよかったのにね。
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