第二章フジヤマゲイシャスシテンプラハラキリデース!
2-1(土)地元のイベントデース
「えーと、これはどう言う状況なの?」
リンダがうちの高校に来て一週間が過ぎ休日の土日に入った。
今朝は襲われなかったけど昨日の夜またまたお風呂で襲われた。
そして今朝は大丈夫だろうと安心していたら朝っぱらからリンダに叩き起こされてリンダの部屋に連れられてきた。
「紫乃から借りたデース! 私今日楽しみデース!!」
えーと何だっけ?
ああ、思い出した「エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-」とか言う奴のキャラクターだ。
ちょうど主人公の女の子‥‥‥で良いのかな?
異世界転生しておっさんの魂だったのが女の子になっちゃうお話だったはず。
その主人公エルハイミのコスプレしている‥‥‥
確かに金髪碧眼なのは設定と同じで年の頃同じくらいだからまさしくお話の中からそのまま出て来たかのようだ。
あ、トレードマークのとげとげ髪もちゃんをこめかみの上左右に付けてる。
「それでなんでこんな格好しているのよ?」
「紫乃と約束しましたデース! 地元のイベントあるデース! コスプレしてみんなで写真撮影するデース!!」
かなりテンションが高い。
私はため息をついてから言う。
「はいはい、よく似あってます。それじゃ、私はまだ眠いから二度寝するわね。まだ七時にもなっていないし」
そう言って部屋を出ようとすると‥‥‥
「駄目でーす! 由紀恵も一緒デース!!」
そう言って私の手を取りベッドに押し倒しパジャマを脱がせ始める!?
「なっ!? ちょ、ちょっとリンダぁっ!!」
「良いでは無いか、良いでは無いかデース!」
うわっ!
マジでブラまで剥がしてきたぁ!?
ちょ、なんでこんなんい手際良いのよぉっ!?
私はあっという間にパンツ一枚まで脱がされてしまたった。
「ちょっ! リンダこれ以上はダメぇっ!!」
「ぐふふふふ、天井のシミを数えていればすぐ終わるデース!」
そう言ってリンダは私に襲いかかるのだった。
* * *
「ふわぁぁぁああぁぁl、なんか騒がしいな? って! リンダちゃん、由紀恵なんて格好してんだい!?」
「うわぁっ!? お、お兄ちゃん!?」
隣の部屋からお兄ちゃんが起きて来たけどそう言えばリンダの部屋の扉が開けっ放しだった。
でもまあ最悪は避けられた。
下着一枚と言う姿はお兄ちゃんに見られることは無かったけど、リンダに何故か黒を基調としたメイド服を着させられている。
そして何故かこの服胸の辺がちょっと緩いけど私に合った大きさ‥‥‥
「紫乃と約束デース! 今日お昼から地元イベントデース! コスプレ大会デース!! 私由紀恵と参加でーす!!」
私も勝手に参加する事になっていてやっぱり「エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?」と言う物語の中に出てくるドラゴンニュートのメイドさんの恰好をさせられている。
でもなんでこのメイド服ってスカートこんなに短いのよ!
「紫乃ちゃんかぁ、なるほど。あ、でもリンダちゃんも由紀恵もよく似合ってるよ」
お兄ちゃんはそう言って笑っている。
「友也も一緒にやるデース! ショーゴやるデース!!」
そう言って紫乃はあらかじめ準備していた衣装を引っ張り出す。
と、その衣装と一緒に黒い何かが落ちる。
リンダはそれをおもむろに拾い上げ「OH-! 忘れていましたデース!!」とか騒いでいる。
「由紀恵これ着けないと完璧じゃないデース!」
「へっ?」
言いながらリンダはその場でスカートを盛大にまくり上げ流れるような手つきで私のパンツを引き下ろす!!
「#$%&%$!?」
「うわっ!」
悲鳴にならない驚きとその一部始終を見ていたお兄ちゃんが呻く。
「さあ由紀恵この黒のショーツ穿くデース! これでクロエのコスプレ完璧デース!!」
「リ、リンダぁっ!! お、お兄ちゃんのバカぁっ! スケベぇっ! 見ちゃダメぇっ!!!!」
思わずベッドに上にあったものをお兄ちゃんに投げつける。
「ぶっ!?」
それらは見事にお兄ちゃんの顔に当たるけどよくよく見ればお兄ちゃんの顔に私のブラが引っかかっている。
「ううううぅぅっぅっ!! お兄ちゃんのえっちぃっ!! わ、私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?」
朝から私の悲鳴がこだましたのだった。
* * * * *
「そうだったんだぁ~朝から大変だったねぇ~」
「全く、なんで私が! と言うよりなんでみんなが一緒なのよ!?」
あの後涙目の私はしこたまお兄ちゃんを枕でたたいてたら紫乃が朝早いのに家へやって来た。
結局お兄ちゃんも巻き込まれそのイベント会場とやらへ行く事になったのだけど最寄りの駅に着いたら高橋静恵や矢島紗江、泉かなめや下僕その一まで来ていた。
そしてみんな紫乃と同じくキャリーバックを持っている。
「いやいや、一度やってみたかったのよね。ちょっと楽しみ」
「紫乃ちゃんから渡された衣装ってちょっと恥ずかしいですけどね」
「‥‥‥紫乃ちゃんぐっじょぶ」
「なぁなぁ、友也って何のキャラ? 俺渡されたの執事みたいなんだけどよ?」
結局みんなコスプレさせられるのかぁ‥‥‥
私はあきらめのため息をついてみんなと一緒に電車に乗るのだった。
* * * * *
「さあ着いたよぉ~、文化会館だよぉ~」
紫乃に連れられて行った場所は県の文化会館だった。
いろいろと催し物が行われる場所だけど今日はここでコスプレ大会なの?
見れば同じようにキャリーバックを持った人たちが集まっていて受付の所へ並んでいる。
あれ?
なんか薄い本を沢山運んでいる人もいる?
「はい、登録終わったよ~。コスプレする人は更衣室へ行って会場は中庭だよ~」
「ねえ紫乃、あっちは何?」
「ああ、あれは同人誌即売会だよぉ~。自分の好きな漫画やアニメの二次創作とかを描いて販売するやつだよ~」
「二次創作? オリジナルがあるのに? なんで?」
「う~ん、例えば最終回でこうなって欲しいとか、好きなキャラクターがこうだったらなぁ~って有ると思うんだ~ でも、原作者はそれを描かないから自分の妄想でお話の続きとかもしこうだったらって描いたものを発表するんだよね~」
「ふーん、よく分からないわね?」
「由紀恵後でそっちも見るデース! 薄い本楽しみデース! 吸血鬼さんが隣にいるお話の見たいデース!!」
「リンダちゃん、クマさん三回のタイトルのも良いよ~!!」
だめだ、付いて行けない。
リンダと紫乃、そしてなぜか泉かなめも混じって盛り上がっている。
「さてと、由紀恵ちゃんは何のコスプレ?」
「確か『クロエ』とか言うメイドさんですね。高橋先輩は?」
「私はティアナって女将軍様ね」
ん?
ちょっとマテ、確かあのキャラって‥‥‥
私は高橋静恵の胸を見る。
そして私の演じるキャラクターを思い出す。
ドラゴンニュートのクロエ。
見た目が十四歳くらいで胸が控えめな「でいやがります」のキャラ‥‥‥
「しぃのぉぉっっ!!!!」
会場に私の怒声がこだましたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます