光の雨

光の雨が降ってくる

朝の寒さが心地よい

虫の息遣いでも聞き取るように

耳を澄ませば 聞こえてくる

さらさら さらさら

光の雨の降る音が

耳元で囁きかけられるように

さらさら さらさら

光の雨は おしゃべりでも

しているのかな?

ぼくもおしゃべりに

交ぜておくれ

空を見上げれば

光の雨が

ぼくの元へと降ってくる

ひと粒 ひと粒

シャッターでも切るみたいに

一瞬 一瞬

止まって見える

こんぺいとうみたいな

光の粒がぼくの肌を

そっと撫でては通り過ぎた

口のなかに入った粒は

甘くはなかったけれど

誰かの涙のように生温かった

光の雨は きっと

恥ずかしがり屋だから

ふっと消えてしまうんだね

ああ

雲と雲のあいだから

青い空が見える

日差しが地上を照らす

光の雨は きっと

もうすぐ止んでしまう

次はどこで

光の雨が降るのかな?

優しい 優しい 光の雨よ

あしたも どこかで

少しばかりの優しさを

ぼくたちに降りまいておくれ



光の雨が降ってきた

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