第74話 師匠が増えた話  

「ルイーゼの師匠って誰なんだろう?」


「さあ? ボクも聞いてないんだよね。ヴェルは?」


「なんとなく想像がつくけど、言いたくないなぁ……口に出すと、本当にそうなってしまいそうで……」


「他にいないから、口に出しても出さなくても同じだう思うけど、あの人だよね? ボクは違うけどね」


「いいなぁ……」




 夏休みが終わり、ようやく新学期……冒険者予備校って、前世の学校みたいに学校感がないけど……というのも変な言い方だな。

 すでに卒業扱いとされ、一応王都の冒険者予備校に転校したという扱いだけど、最初に挨拶に行っただけで通っていなかった。

 その時間で、俺たちは魔法や武芸、その他冒険者に必要な知識と技能、俺は基本的な貴族のマナーなどを教わることを、王都の大人たちによって決められてしまったわけだ。

 ただ、この決定に特に文句があるわけではない。

 どうせ学ばなければいけないことを、ブライヒブルクよりも教育環境がいい王都で、さらに優れた先生たちに教えてもらえるのだから。

 なにより、前世が都会派(死語)である俺からすれば、インフラが整い、娯楽の質が優れている王都で暮らす方が楽で楽しいからだ。

 遊び呆けるつもりはないが、休みの時に休暇を満喫できるのはいい。

 実際王都はブライヒブルクよりも都会で、食事をするお店の質と数も、娯楽施設も多くて楽しかったのだから。

 『よく遊び、よく学べ』だよな。

 あのろくに娯楽すらない実家となど、比べるだけおこがましいというものだ。

 滞在する貸し家も決まり、さらにその家賃をブライヒレーダー辺境伯が出すと聞いた。

 『貴族同士の縄張り争いも大変だな』などと思ってから数日後、俺とルイーゼはなぜか同じ場所に向かって歩いていた。

 エルは近衛騎士隊のワーレンさんに剣を習うために、イーナも同じ近衛隊で槍術の達人がいるのでその人に槍を習うために城へと向かっていたが、俺とルイーゼはなぜかとある軍の施設に行くようにと言われたのだ。

 俺は魔法使いだし、ルイーゼは同じ魔力持ちながらも魔闘流を使う武闘家だから、同じ場所で訓練するのは変だと思う。

 軍の施設に行くから、そこに魔法の師匠……誰かは容易に想像がつくけど、今は考えないようにしよう……武芸の先生がいるってことかな。

 ルイーゼの師匠は、俺は高名な武闘家に詳しくないからよくわからん。


 俺とルイーゼは魔力持ちでもまったくタイプが違うので、一緒に鍛錬すると効率が悪いような……。

 でもブランタークさんのように基礎くらいは教えられるなら、最初は一緒でも問題ないと思われているのかも。

 俺は万能型の魔法使いで、ルイーゼは魔力で攻撃力と防御力を強化して戦う、特化型の魔法使いに分類されるわけだが、別にこういう人は珍しくない。

 一つの系統魔法にのみ、突き抜けた才能を持つ人。

 エリーゼなどがそれで、治癒を中心に聖属性の魔法しか使えないから、彼女も特化型とも言えた。

 他にも、魔道具造りに使用する魔法しか使えない人や、便利な生活系の特殊魔法しか使えない人に、『瞬間移動』や『通信』魔法しか使えない人もいる。

 特にこの『通信』という魔法。

 風の系統に属する魔法であったが、この魔法が使える魔法使いは、軍や商人が高額で囲い込むほど便利で希少な魔法であった。

 達人になると、数千キロをタイムラグなしで相手の魔法使いや通信専用の魔道具に声を届かせることができる。

 俺も『通信』が使えるかどうか試してみたけど、残念ながら今のところは使えなかった。

 他に使える魔法が沢山あるし、元ボッチに遠距離通話をする相手などいないから、別に使えなくても悔しくなんてないさ。

 それに金はあるので、必要なら通信用の魔道具を購入すれば済む話なのだから。


「ボクが、ヴェルと一緒に特訓?」


「『火炎』の魔法でも覚えるか?」


「無理だから。才能がないんだよ」


 そんなわけで、俺とルイーゼが同じ場所で鍛錬を行う理由が存在しない。

 ルイーゼは魔闘流を使うので近接戦闘特化型で、俺は遠方から魔法をぶっ放す遠距離戦闘がメインだ。

 同じ訓練メニューを提示されても困ってしまうのが現状でもあった。


「すみません、本日……」


「おおっ! よく来たのである!」


 施設の門番に経緯を伝えるとすぐ奥に案内され、とある建物の入り口の前で声をかけると、すぐさま大きな塊が建物の中から飛び出して来た。

 しかもその顔には見覚えが……。

 夏休みに半月近くも行動を共にした、魔法使いとしては超一流で素晴らしい人のはずなのに、なぜか暑苦しい印象しか残らないあの人物。

 王宮筆頭魔導師なのに、焼いた魔物の肉にかぶり付くのが山賊よりも似合っているあの人物。

 巨乳天使ちゃん、エリーゼの伯父とはとうてい思えない容姿と筋肉の持ち主。

 クリムト・クリストフ・フォン・アームストロング子爵。

 その人がこれまでどおり、暑苦しい笑顔で俺たちを待ち受けていたのだ。


「アームストロング導師が、俺とルイーゼの先生なのですか?」


「左様! 某、楽しみで昨日はなかなか寝つけなかったのである!」


「(導師様でも、眠れないなんてことがあるんだね)」


「(しぃ---!)」


 魔力で物質化していた鎧を着ていたとはいえ、竜を素手で殴る。

 どう考えても、普通の魔法使いからは半分以上逸脱しているアームストロング導師が俺たちの先生という現実に、俺はどうやって逃げようかと頭を働かせ続ける。

 向こうは楽しみかもしれないが、こちらからすると嫌な予感しかしなかったからだ。

 というか俺は、ブランタークさんからいくらでも学ぶことがあるのだから。 

 決して、竜の殴り方を習いたいなんて思わない。

 こう見えて、俺は頭脳派なのだ。


「(俺にあんな魔法とか無理! というか、あれは魔法なのか?)」


 魔法だからこそ、王国はアームストロング導師を王宮筆頭魔導師にしているのであろうが、あれはそう簡単に真似できるものではなかった。


「(俺に会得できるはずが……。待てよ、ルイーゼなら会得可能か?)」


 俺からすると、魔闘流とアームストロング導師の格闘魔法の違いがよくわからないので、むしろルイーゼだけの方が修行も捗るであろう。

 心の中でそう折り合いを付けると、隣で初めて見る筋肉王宮筆頭魔導師に絶句しているルイーゼに話かける。


「ルイーゼなら、きっとあの戦闘方法は参考になるだろうなぁ。どんな魔法かは、本人に詳しく聞くといいよ。俺は……邪魔すると悪いかな?」


「えっ? ボクだけ? ヴェルも一緒に決まっているじゃないか!」


 ルイーゼには、アームストロング導師が魔法で魔力を物質化して全身鎧を作り、高速の『飛翔』で縦横無尽に移動してグレードグランドをドツキ回し、ブレスを拳で引き裂き、挙句に高集束魔力弾を連発してダメージを与え続けていた話をした。

 俺からすると、それは魔闘流に近いと思っているのだけど、ルイーゼは魔闘流にそんな技は無いと断言した。


『魔力を物質化? そんな膨大な魔力があったら、わざわざ魔闘流の修行なんて誰もしないよ。高集束魔力弾も、魔闘流の技じゃない。直接魔力を乗せた拳と足で戦うのが基本なんだから。魔闘流は、少ない魔力を効率よく戦闘能力の上乗せに使う武芸なんだ。ボクには初級と中級の間くらいの魔力はあるけど、肝心の魔法が一切使えないから、魔闘流を習っているわけだし』


 アームストロング導師の戦い方は、攻撃力は圧倒的であるが、魔力の消費が激しいので長時間の戦闘には向かないらしい。

 その割には、戦闘後もアームストロング導師は元気そうであったが、それは彼の魔力が極端に多い証拠なのであろう。

 さすがは、師匠のライバルを自認している人物である。

 爽やか系であった師匠と比べると、少々暑苦しいのが難点ではあったが。


「いやぁ、俺は格闘技とかは苦手でねぇ……。遠距離から魔法で攻撃と援護が適任でしょう」

 

 一応、子供の頃から基本だけは訓練していた剣であったが、冒険者予備校入学時に『まるで才能がない』と、講師陣に太鼓判を押されてしまっていた。

 実際、入学時には真ん中よりも少し上くらいの成績であったのに、今では完全にビリから数えた方が早いくらいにまで剣の成績は落ちている。

 バウマイスター騎士爵家での基礎鍛錬は、俺の剣が下手だとバレる時期を少し遅らせただけの効果しかなかった。

 ただ、弓とナイフなどの投擲術はソコソコ才能があると言われていたので、これは魔法と一緒に訓練はしている。

 やはり講師たちから、魔法で飛ばした方がいいとはよく言われていたけど。

 

「俺は剣は駄目だから」


「剣は駄目でも、格闘技なら大丈夫かもしれないじゃないか! 一緒に習おうよ!」


 なぜか必死に俺を説得するルイーゼであったが、やはり彼女もこの暑苦しい王宮筆頭魔導師と二人きりで訓練をするのが嫌なのであろう。

 なぜそれがわかるのかといえば、俺だって嫌だからだ。


「俺は、魔法の訓練を優先させたいなぁ。まだ魔力の限界もきていないから」


 俺はまだ十二歳で、師匠から毎日欠かさず行うようにと言われている魔力の循環や各種魔法の実技訓練に。

 あとは、ブランタークさんから言われている使用魔力の節約などは、これは一生訓練をしても完成しないと言われている課題であった。

 他にも、まだ使ったことがない魔法の実験に、使える魔法の威力と質の向上に、次世代が参考できるよう、俺なりに魔法のことを日記に記述しておくのもやっておきたい。

 その気になれば、いくらでも忙しい身であったのだ。


「なんと! すでに某を超える魔力を持ちながら、まだ成長限界にきておらぬと!」


「はい。なので俺は……」


 このままルイーゼだけを押し付けて帰ってしまおうとする俺であったが、そうは問屋が卸さなかったらしい。

 導師は、なぜか感激の涙を流しながら、俺の両肩をガッシリと掴んでいた。


「(肩が壊れる! 骨が砕ける! というか、逃げられん!)」


 このおっさん!

 魔法なんて使わなくても、もの凄い怪力じゃないか!


「ならばなおのこと、某と魔法の訓練をするのである! 魔力の循環訓練では、某の『魔導機動甲冑』ほど効率のよいものはなく。『飛翔』の高速化と、『身体能力強化』をしたままでの戦闘に慣れれば、魔闘流のように高度な格闘センスを必要とはしないのである。某も、格闘技など他人から習ったことはないのである!」


 アームストロング導師の説明は理に叶っていて、おかげで俺が逃げる好機を逸していた。

 というか、この筋肉導師。

 あの強さは、頑強な肉体と魔法のみで再現しているらしい。

 世間の武道家から見ると、とんでもない人物なのであろう。


「アルフレッドは、某のような格闘魔法のみの魔法使いとは違って、多彩な魔法を器用に使いこなす天才であったが腕っ節の方はサッパリであった。才能がないのだと本人は言っていたが、せめて某の『魔導機動甲冑』だけでも習得しておれば……」


 あの南の果ての魔の森で、命を落すようなこともなかったかもしれない。

 アームストロング導師は、寂しそうな顔をしながら俺たちに語っていた。


「ねえ、ヴェル」


「そうだな。まだやったことがないものを、できないと決めつけるのは早計か」


 どうせ実力を隠すなんていう器用な真似はできないので、今回の竜退治とそれに伴う叙勲に関しては仕方がないと、俺はそう思うことにしていた。

 だが、それで目立ってしまった点もあるので、これから先俺にどんな試練と困難が訪れるかもしれない。

 いくら強力な魔力を持つ魔法使いでも、いつ不意になにかをされるかもしれないし、魔力が少なくなった時に身を守る術は複数確保しておいた方がいいだろう。

 俺は、アームストロング導師から魔法というか魔法格闘術を習うことを決意した。


「少年には才能があるのである! すぐに覚えられるであろう」


「ありがとうございます。ですがよろしいのですか?」


 俺は唯一懸念していたのは、アームストロング導師は王宮筆頭魔導師なので『忙しいのでは?』という点であった。

 書類仕事や部下の管理を粛々とこなすアームストロング導師の姿が思い浮かばないが、筆頭である以上は、そういう仕事からは逃れられないのではと。

 そういう風に思っていたのだ。


「それならば、まったく心配ないのである! 某は、陛下に呼ばれないと城に行く必要がないのである!」


「えっ? それは本当ですか?」


「考えてもみよ。某など、王国の日々の統治でなんの役に立つ? 前回のグレードグランド討伐を見てもあきらかであろうが、基本的に王宮筆頭魔導師などは、有事以外はお飾りなのである!」


 陛下の護衛などは、近衛と王宮魔導師の中から中級レベル数名で事足りてしまうし、部下たちの中から、自分とは違って書類仕事が苦にならない人たちを下に置いているので、なんの問題もないらしい。

 たまに用事があるとすれば、定期的にある公式行事に王宮筆頭魔導師として顔を出すくらい。 

 あとは、私的に陛下に呼ばれた時くらいだそうだ。


「恐れ多くも陛下は、某を子供の頃からの親友であると仰られ、定期的に顔を出すようにと言われているのである」


 なるほど。

 俺の読みどおり、アームストロング導師は見た目とは違って頭の切れる人物であるようだ。

 たまたま陛下の幼馴染であったアームストロング導師が、王宮では五百年に一度と言われるレベルの魔法使いであった。

 その気になればいくらでも出世できるのに、彼は才能があった魔法のみでその位を極めている。

 それでも、権力闘争に汲々としている貴族連中からすると、陛下のお気に入りであるアームストロング導師は、目の上のタンコブのような扱いなのであろう。


『アルフレッドの方が、王宮筆頭魔導師に相応しいのではないか?』


 このような中傷さえ飛ばす彼らから距離を置くために、わざと面倒な仕事を部下に任せるバカでお飾りな、非常時にしか役に立たない王宮筆頭魔導師を演じているのだと。

 俺の師匠も子供の頃に王都で孤児として苦労しており、さらに冒険者時代、王城に巣食う貴族連中に辟易し、南部へと逃げてしまったようだが。


「(この人は、かなり要注意人物かも)」


 それでいて、親友でもある陛下への忠誠は厚いのだ。

 その忠誠の結果、変に利用されないようにしようと俺は決意していた。

 完全にそれができるのかは別としてだ。


「それに、この訓練は某のためでもある」


「アームストロング導師のため?」


「左様。某は、まだ魔力量の限界が訪れておらず……」


「えーーー!」


 今でも化け物なのに、アームストロング導師は四十歳を超えてもまだ魔力が成長途上にあるらしい。

 普通なら、二十歳前には魔力の成長が限界を超えてしまうというのに……。

 つまりアームストロング導師は、成長力でも特殊な部類に入る魔法使いであったというわけだ。

 

「ルイーゼ嬢にも、まだ魔力の成長限界はきてはおらぬ。よって、今日は最初に『器合わせ』を行うこととするのである!」


 そのまま有無も言わさず、結局その日は、俺がルイーゼと、アームストロング導師と、彼が連れて来た数十名の見習い魔法使いと器合わせを行うだけで時間がきてしまった。

 器合わせは、魔力を合わせる相手が自分の魔力限界量を超えていれば一回で最大魔力量まで引き上げることが可能だ。

 才能が知れてしまうので、それでショックを受けたり、その事実を受け入れられなくて器合わせをしてくれた相手に暴言を吐くといった例もあると聞く。

 そのため、お互いに信頼関係がないと行われない。

 俺と師匠のように、師弟関係がないとそういう話にならないのだ。

 この数十名はアームストロング導師が認めた弟子たちであり、器合わせではなるべく魔力量が高い人と行った方が回数も少なくて済む。

 導師の部下たちはみんな忙しいので、器合わせを一回で終わらせようと、俺の元に彼らを連れて来たようだ。

 『器合わせは、子供の頃にやった方がいいのでは?』と、魔法使いではない人がよく言う。

 だがそれは、避けるべきだと言われていた。

 なぜなら、以前に魔法の才能がある赤ん坊に器合わせを施した結果、その赤ん坊が膨大な魔力を得たのはいいが、泣くたびに風の魔法で部屋をメチャメチャにし。

 おっぱいが欲しいと、魔法で強引に母親を引き寄せ。

 歩き始めると、一緒に遊んでいた子供から玩具を取り上げるために魔法を使いと。

 器合わせをするには、その相手の自我と理性が一定以上に達し、ある程度は魔法の修行を行っているという条件が必須となっていた。

 俺は例外のような気もするが、ブランタークさんに言わせると『五歳だろうが、六歳だろうが。アルが認めたから器合わせは行われたし、実際に坊主は多すぎる魔力を持て余していない。問題ないだろう』との意見であった。

 俺の場合は、中身がもうおっさんなので例外なのであろう。


「この中の全員が、この一回で魔力量が限界まで上がるであろう。だが、その量が少なくとも悲しんでは駄目なのである! 確かに魔力量も重要ではあるが、他にも魔法では鍛えられる部分も多い! むしろ、魔力量の増大に使う時間が節約できたので、お主たちは幸運なのである!」


 どこから連れて来たのかは知らなかったが、アームストロング導師は、俺と器合わせをしたために魔力酔いをして床に寝そべっている彼らにそう説明していた。

 ただ全員が最低でも中級レベルの魔力を保持していることからして、彼らは将来の王宮魔導師候補だと思われる。


「でもどうして、アームストロング導師は魔力酔いをしないのかな?」


 ルイーゼも、彼らほどではないが少し眩暈を感じているらしい。

 俺の近くに座り込んでいたが、その成長は驚異的の一言であった。

 魔力量が、中級から上級の間に匹敵するレベルにまで上昇していたからだ。

 さすがは、家族に遠慮して魔力量強化の修行を最近になって始めた逸材であった。

 しかしながら、器合わせを終えたルイーゼに他の魔法が使えるのかは不明だ。

 これからの課題というやつであろう。


「そういえば俺もしなかったけど……」


「つまり導師とヴェルって……」


 現在のアームストロング導師の魔力量は、俺とまったく同じ。

 ようするに、俺と同じく魔力量の成長限界はまだきていないという証拠であった。

 というか、もうすでに師匠の倍以上にまで達している。

 このまま行くと、師匠はアームストロング導師のライバルではなくなってしまうかもしれなかった。


「ふむ、器合わせで大きく魔力路と魔力袋が広げられる感覚は久しぶりなのである。なんと心地よいことか……。では、早速に『魔導機動甲冑』の出し方からである!」


「今から修行するのかよ!」


「当然である!」


 俺とルイーゼは、あまりに元気なアームストロング導師にその場で思わず脱力してしまう。

 そしてこれから、最強の魔法闘士ヴェンデリンの伝説が始まらないことを祈るのみであった。

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