第20話 お礼のレベル上げ2日目

 僕達は、6階層に石板で転移した。道はギュラルさん達が知ってるので、ついていく。僕ももちろん地図を買って、リュックサックの中に入っている。迷子になったら大変だからね。


「ここはゴブリンナイトとグレーウルフが出てくるからな。」

 ギュラルさんが僕に注意しながら、進んで行く。


「おっ!ゴブリンナイト2匹とゴブリンマジシャンだな。」

 3匹のゴブリンが目の前に見える。ギュラルさんとアイントさんが倒しに行く。


「ゴブリンナイトは、この剣で斬りかかってくるからな。」

 ギュラルさんが盾で受けながら、解説してくれる。動きにはついて行けそうだな。


 アイントさんがゴブリンナイトとゴブリンマジシャンを仕留め、残りのゴブリンナイトを僕が相手する。


 ギュラルさんが相手していたゴブリンを、僕は相手する。


 ゴブリンナイトは、剣を上から振り下ろすが、僕は横に避ける。横に避けたら、ゴブリンが真横に剣をふってきた。


 ガギン!


 盾で受けると、音が響く。力負けもしないで受け止めた。盾でガードしながら、ゴブリンナイトの懐に潜り込み、ゴブリンナイトの胸を短剣で突き刺す。突き刺した短剣を引き抜き、ゴブリンナイトの首を斬りつける。

 後方に飛んで距離を取ると、ゴブリンは絶命した。


「力に余裕があるが、動きがぎこちないな。」

 ギュラルさんは言う。そうだね。短剣もそろそろ変えた方が良いな。長さが足りないから、接近しないとダメだし。


「エルジュ君は、余裕があるので、大丈夫ですよ。次行きましょう。」

 アイントさんが言うと、エルジュさんも同意し、先に進む。


 歩いていると、ゴブリンナイト2匹が見えた。


 僕は前に出て、「ファイア」と炎魔法を使う。一匹のゴブリンは炎上し、絶命した。残りのゴブリンナイトが僕に向かってくる。


 次は剣術Lv2のキーホルダーを使おうな。今までは、腕力強化Lv2と脚力強化Lv2を使っていたが、ゴブリンナイトと戦うなら剣術が、有効になるかな。


 剣術Lv2のキーホルダーに触れて発動させる。


 短剣を構え、ゴブリンナイトに向かって行く。ゴブリンナイトが剣を振り上げたら、「なるほど」と心の中で納得した。


 ゴブリンナイトの剣術スキルは、レベル1なので、剣を振り上げた瞬間、剣をどこに振り下ろすかがわかった。僕は少し体をずらしながら、ゴブリンナイトの首めがけ斬りかかる。


 ゴブリンナイトの首は、両断されて床に頭部が落ち絶命した。短剣の切れ味が上がった気がするな。剣術Lv2の効果なのかな。


「ほ〜エルジュ凄いな。さっきと動きが別人だぞ。新米の剣士よりも良い動きだな!」

 ギュラルさんが笑顔で誉めてくれた。剣術スキルがあれば、短剣でも通用するな。



 出てくるゴブリンナイトも一人で倒すことが余裕で、できるようになった。


 グレーウルフも出てきたが、盾でガードしながら、盾で殴りつけると絶命してしまうほど、弱かった。


 7階層に行くとロックリザードも出てきた。背が石の様に硬いが、短剣で突き刺すと、貫通した。思ったよりも固くなかった。


 8階層に降りる。ここにはゴブリンリーダーが出てきた。5階層のボスが普通に道にいる。こいつは剛力のスキルがあるから是非とも欲しい。


 ゴブリンリーダーが大剣を振り回すが、剣術Lv2のおかげで、剣筋が分かり、避けるもの余裕だ。避けては、斬りを繰り返し倒していく。


 9階層も変わりなく倒す。ゴブリンリーダーもレベル15を越えたが、僕は余裕で倒せている。


 さて、ついに10階層だ。道中のモンスターもゴブリンリーダーやゴブリンマジシャン、ゴブリンナイトなどと、変わりないため倒して魔物石を集めていく。ドロップアイテムもあるが、持ちきれないので、父さんの魔法袋に入れてもらっている。品質が低い物は放置している。ドロップアイテムは、一定時間置いていると、消えるので問題ない。


 10階層のボス部屋に着くと、黄色い鉄の扉が見える。ボスのサンダーウルフがいる部屋だ。


「サンダーウルフは、動きの速い、狼のモンスターだ。雷魔法を使うから気をつけてろよ。」

 ギュラルさんが説明する。まずは僕一人で戦って、危険ならギュラルさん達も参加するのだ。試したい事があるからやろうかな。


 ギュラルさんが扉を開けている。僕は持っているキーホルダー全てに触れて発動させる。


 腕力強化Lv2×20個

 脚力強化Lv2×20個

 剛力Lv2×30個(ゴブリンリーダーから道中作った)

 火魔法強化Lv2×10個

 剣術Lv2×10個


 うん大量だな。リュックサックの中身がキーホルダーだらけだよ。でも思った通りだな。いつもはキーホルダーの効果一つづつ使っていたけど、同じ効果のキーホルダーを複数使っても効果は、でるんだな。剣術は、変わりなさそうだな。


 腕力強化は、20%アップだから、20%×20個で400%アップ。4倍の腕力強化になるのか。剛力は、Lv2で力が60%アップだ。60%×30個で1800%アップ。力が18倍も増える。


 これなら余裕だな。


 ギュラルさんが扉を開けると、3メートルはある黄色い毛並みの狼がいた。


「あれがサンダーウルフだ。頑張れよ。」


 僕は、サンダーウルフに向かって走りだす。おもいっきり脚に力を入れるとサンダーウルフまで一歩で近づき、サンダーウルフの首に短剣を振り下ろす。サンダーウルフは、反応する様子もなく、首を切り落とした。


「ファイア!」

 僕は、胴体に向かって炎魔法を使い、消し炭にする。


 終わったな。



 床に魔物石とドロップアイテムの牙と毛皮が落ちていた。魔物石とドロップアイテムを拾ってギュラルさん達の元へ戻る。


 サンダーウルフの魔物石

 レベル24

 効果 俊敏Lv1

 速さが30%アップする。


 俊敏か。スピードが上がるのだろうか。説明も出てる、素材鑑定眼もレベル上がったな。


「エルジュ!お前強すぎだろ!」

 ギュラルさんが頭を撫でながら、話している。ギュラルさんでも、こんなに速く討伐できないそうだ。盾で受けて反撃するのだから、しょうがないのだろう。


「エルジュ君。今の動きは、2等級冒険者ほどの実力があるよ!」

 アイントさんも興奮したように話している。俊敏のスキルをアイントさんは、持っているみたいだから同じ事ができそうだな。



「どうだった?」

 父さんは、聞いてくるが楽勝とだけ答えておく。キーホルダーの全力なら余裕だな。ただガチャガチャうるさいけど。


 ボス部屋を抜け、11階層へ降りる。途中の石板に登録を済ませ、一旦ギルドへ帰って行った。







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