寝る前の会話 (※えっち注意)

春嵐

第1夜 22:35 事後

「激しくない?」


「え、そう?」


「つかぬことをお聞きしますが。おはじめてでおいらっしゃいますか?」


「おが多いよ」


「どうなわけ」


「おはじめてではないですね。二回目?」


「初手は?」


「いとこ。ふつうにのしかかられて」


「いとこか。あるよね、そういうの。で。きもちかった?」


「ぜんぜん。立ちもしなかった」


「それ。はじめてっていえんのかな」


「わからん。まあ、妊娠とかそういうのの心配はない程度じゃないかな」


「しおしおだったわけだ」


「うん」


「今日は斜め四十五度だったわけですが」


「うん。たのしかった」


「おなかの表皮、おへそに近いところが擦られて大変でした」


「ごめんなさい。気を付けます」


「いいえいいえ」


「経験なさすぎかあ。え。これさ、訊いていいんかな。いいよな」


「なによ」


「おはじめてでおいらっしゃいますか?」


「あ。それ訊いちゃう?」


「だめだよね。男のほうは訊いていいけど女のほうには訊いちゃいかんやつだよね」


「まあ、訊くと、男のほうがへこむからね。おれがはじめてじゃないのか、みたいな感じで」


「聞くの怖いなあ」


「たぶん三桁目ですね」


「ううあああ。訊くんじゃなかった」


「え。信じるわけ?」


「だってさ。激しくないって訊かれたということはさ。俺の比較対象は、まず、いるじゃん」


「うん」


「三桁かあ。順位的にはどのぐらいなわけ?」


「一回で判断するのはなあ。今日はおなかのおへその近く擦られただけだし。奥まで来てないし」


「すみませんでした」


「(わたし。はじめてだったけど、おもしろいから黙っておこうかな)」


「(順位上げていかないと、捨てられるかもしれんなこれは)」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る