コウさんとのお別れ 2013年7月23日
今朝、大好きだったコウさんというおばあちゃま(職場のご入居者)が
旅立たれました。
1か月ほど前から入院され、たびたびお見舞いに行きましたが、
酸素マスクをsれ、肩で息をされ、とても苦しそうにされていました。
動かすのもままならない手をそっと触って、
「また来ますね」と言ったのが最後になりました。
施設に戻って来られるほど病状が回復することは見込めない状態で、
今日、ご家族が退居の手続きをしに来られることになっていました。
夜勤明けだった私は、「ご家族は、午前にこられるのかな?午後かな?
お会いしたいな」
と思いながら、なんとなく、コウさんとのお別れが
今日になりそうな予感がしていました。
「虫の知らせ」とでも言うのでしょうか。
果たして、その通りになりました。
夜勤を一緒にやっていた職員が、同じくコウさんにとても親しみを感じている職員だったので、一緒にお部屋の片づけをさせてもらいました。
その方のお部屋は、私が取った写真でいっぱいでした。
その写真を私は紙袋に大切にしまいました。
やがて、ご会葬の日程が知らされた時に、
ふと、「おせっかいかもしれないけど、この写真をお持ちしよう」と思いました。
話を聞いていた相談員も、いいと思う、とにっこり笑っていました。
お通夜は今日だったので、さっそくその写真をお持ちしました。
ご家族は「飾っていいですか?」と言ってくださり、
入り口に写真を飾ってくださいました。
「この写真は、うちの外で撮ったものなんです」と
想い出と共に遺影の写真を見せていただきました。
こちらまで思わず笑みがこぼれそうな、とても可愛らしい笑顔のお写真でした。
職場で一緒に過ごさせていただいた方々のお見送りに行かせてもらうとき、
いつも私は、「悲しみはご家族のもの」という想いがあり、
「ありがとうございました」と「おつかれさまでした」をお伝えさせてもらう
という気持ちが強かったのですが、
今日は、知らせを聞いた時から、寂しさが込み上げてきて
柄にもなくしんみりしていました。
参列させていただいたた時は
遺影の素敵な笑顔や、今までの楽しかった想い出が次々と浮かび、
また、(母の実家と同じ宗派だったので)お読経の響きがとても懐かしく
私の心の中を流れて行って、
コウさんだけでなく、いろいろな懐かしい顔が心の中に浮かんで、
あぁ、コウさんもみんなのところに行かれるんだなぁと・・・
気づくと、ほろりと涙がこぼれていました。
最後にお顔を見せていただきました。
とてもきれいなお顔でした。
でも、やっぱり私にはもう、
懐かしい人の顔の映る「いれもの」にしか見えないのです。
もう2度と一緒に泣いたり笑ったりできないんです。
抱き合うこともない。
「つらいよね」と手をとると、かすかに握り返してくれる・・・
そんなことももうないんです。
私が撮った、たくさんたくさん撮ったその笑顔に会うことはもうできない。
ほんとにほんとに寂しいです。
でも、別れ際、私の口から出たのは、「またね」でした。
一緒に参列した職員や、ご家族と泣き笑いの想い出話をして、
「いつの日かまた向こうでお会いしましょう」とお別れをしてきました。
ケンカしたり、たたかれたり、笑い合ったり、辛い時を一緒に乗り越えたり。
短い間だったけど、一緒の時を過ごせて、本当に幸せでした。
ありがとう。
おつかれさまでした。
そして、
またね(^^)
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