『こわいやさん』
連載途中の作品を取り上げるのは珍しいのですが、最近一番心動かされている作品です。
タイトル通りのホラーで、何とも言えない世界観が展開されます。最初はカエルとウサギの擬人的な登場人物たちの世界かと思ったのですが、物語では人間たちが中心になっています。すっきりわかるような話はほぼなくて、「読後感も何となく気持ち悪い」感じとなっています。
実は私、作者がTwitterで発表していた「こぐまのケーキ屋さん」に何とも言えない怖さを感じていました。絵柄からなのか、ストーリーなのかはわからないのですが、筆者自身がもともとホラーを書いていたとわかり安心しました。おそらくどこかで、「堂々と怖いもの」を書きたかったのではないでしょうか。
「こわいやさん」にも人間以外の登場人物が同居しているのですが、そこにははっきりと根拠がありそうです。「なんだかかわいいこぐま」は、かわいいことで物語の中になんとなく存在できました。しかし怖いことがはっきりと宣言されている 「こわいやさん」の世界では、擬人的な動物それ自体が「得体の知れなさが明示される」存在である可能性が大きいのです。作者がどのように架空の世界を創り出したのか、怖がらせるためのファンタジー構築とはどういうものなのか、完結まで必ず読まなければと思う作品です。
カメントツ『こわいやさん』(2025-)集英社
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