地獄の門
地獄の視察に来た二人の男が門から地獄に入ろうとすると、恐ろしい赤鬼が出てきて行く手を阻んだ。
鬼はこう言うのだった。
「門を入るなら何か、面白い話を俺様に聞かせろ。その話が面白かったら通してやる」
二人の視察人は少し困ったが、一人が懐からメモ用紙を取り出して鬼に渡してこう言った。
「この話は口でしゃべるより、文章にしたほうがすごく面白い話なんです」
メモを渡された鬼はしばらくそれを見つめ、うすら笑いを浮かべて二人を地獄に通した。
地獄に入ってからもう一人の男がどんなメモを渡したのか訊くと男は笑いながら答えた。
「~赤鬼のバカヤロウ~と書いただけさ」
そして付け加えた。
「あの鬼は字なんて読めないんだよ」
「……」
END
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