宇宙の道案内


 宇宙時代、操舵装置が故障して道に迷った高速宇宙船があった。


 困った船長が、ちょうど通りかかった貨物船に道を尋ねる。


「ちょっとおききしますが、シリウスの第十二番衛星にはどう行くのでしょう?」


 貨物船の親父が窓から顔を出して親切に答えた。


「ここから三つ目の赤い輪のある惑星の角を左に曲がって、一光年ほど走ったらブラックホールがあるから、そこをうまく右に除けて、左に旋回。それで下にもぐって、五つ目の青い星を右に曲がって十八個目の白い星がそうだ」


 高速宇宙船の船長が礼を言う。


「ありがとうございます、助かりましたよ!」


 すれ違う宇宙船に向かって宇宙貨物船の親父が忠告した。


「ああ、それからよ。ブラックホールから離れて行きなよ、吸い込まれる事故が多いんだ。この前、吸い込まれた奴は赤ちゃんになって出てきたらしい!」


「わかりました。気を付けます。で、どのくらいかかりますか?」


「さあな、光速でざっと三十年ってところだ!」


「わかりました。気長に行ってみます……」


 ??!!




                END

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る