塩乞い

 ある時、日本から塩がなくなった。


『なぜなの?』と、問うても誰にも答えられなかった。


 全ての料理人、調理師がこまった。もちろん一般家庭だって困った。

 

 このとき初めて人は塩の大切さを知った。


 ちょうどそこに優しそうな顔つきではあるが、ちょっと風変わりな男が現れた。


 僧侶のような装束を身に着けている。

 

 男はかねや太鼓を打ち鳴らし始めた。


 男は雨乞いならぬ、塩乞いを始めたのだ。


 すると空から塩が降ってきた。人々は驚嘆し、男に感謝した。



 しかしそこに甘党の男の子が現れて言った。


「おじさん。シオだけじゃなく、サトウも降らしてヨ」


 優しい男が微笑んで頷いた。


 ――すると隣の家の二階から佐藤サトウさんが降ってきた。


 !!??    



             END 

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