第47話 想い遙かに~統治神<シ>とアシュラ ①

「それで、アシュラは見つかったのか?」


 アトランティス王、統治神<シ>は、「光の泉」本部にある神殿で、謁見の間の窓から外を見やりながら、ミカエルに問うた。


「それらしき青年は、見つけましたが・・・」

とミカエルは答えた。


 その答えに統治神<シ>こと、パリスは、無表情のまま、

「今生も、女神ではなかった、ということだな」

と、少し冷たい声で言った。


「はい」

と答えるミカエルの声も、心なしか憂いを含んでいた。


 統治神<シ>は、女神への転生を拒み続けるアシュラの強い意志を、ミカエルの言葉のなかに感じていた。


「アシュラには前世の記憶はまったくありませんが、お会いになりますか?」


「そうだな。お前が刑を執行する前に、もう一度会って、私の婚約者にせめて別れの挨拶をしようか・・・」





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