第20話 ミカエルとエルフィン 第1章 再会 ⑥
その日、ミカエルはエルフィンを伴い、クラブ「パラダイス」オーナーの妹である、ガールフレンドのジュリアに会いに行った。
「あら、綺麗な坊やね。
うちのラブリーと、いいとこ勝負だわ」
とジュリアはエルフィンを見て、嬉しそうに言った。
「あなたの親戚かなにか?」
「新しい私の、ボディーガードだ。
こんなにかわいい顔してるが、彼はすごく強いんだ」
とミカエルは最高に魅力的な笑顔を浮かべ、ジュリアに言った。
「ところで、プリンス・チャーミングに会えるかな?」
「今は、アメリカにいないわ。まだヨーロッパ。
アラブの王子さまを怒らせちゃったから、チャールズと一緒にまだ逃げてる」
と、ジュリアは退屈そうに言った。
「このゴシップ記事、嘘ばっかりで、笑えるわよね」
と、近くにあるタブロイドを指さしながら、ジュリアはまた退屈そうに笑った。
「でも、パパラッチが四六時中、二人に張り付いているから、こんな安全なことはないのよね。アラブの王子様も、こんなに人が張り付いていたら、ラブリーを拉致するなんてことは、絶対に無理だから。無理なのよ! そう、無理! 無理! 無理!
だから、私、最高に気分が良いの!」
なぜかジュリアは昼から、酔っぱらっていた。
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