異世界侠客道!! 老龍と若虎
HIRO
幼年期
少年 ティグレ
はる ぼくのいえ
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「おはよう、かーさん」
「おはよう、ティグレ」
僕の名前はティグレ、今年5歳になります。
特徴は癖が強くて鳥の巣と形容するのが相応しいくらいもじゃっとした黒髪。
それと黒目です。背はまだ5歳なのできっと伸びる筈です。
最初に挨拶をしてくれたのは僕の母親のネイコ母さん。少し波打った綺麗な黒髪。瞳も同じように黒色。体つきは母しか知らないので基準がどうなのか分かりませんが、父曰く、お尻もお胸も普通より大きいそうです、顔もとびきりの美人だとか。僕はとっても母親似だそうなので将来はきっと美形だと父は良く言ってくれています。
「起きたなティグレ、今日はお前の晴れ舞台だな、しっかり食ってけ」
「ティグレはどんな才能を貰うのだろうな」
「きっと人一倍優しいティグレだもの、素敵な才能を貰うはずよ」
テーブルには既に僕以外の家族が座っていました、最初に声をかけて来てくれたのはジャガー父さん、服の上からも分かるくらいの鍛え上げられた筋肉が眩しいくらい今日も主張しています。職業は悪い人や動物をやっつける冒険者さんだそうです。
そして、レオン兄さん、僕とは4つほど歳が離れています。歳がちょっと離れてると言う事もあって、とっても優しいです、それに優しいだけじゃなく街の剣術道場では子供の中で一番の実力があるそうです。
最後にサーバル姉さん、姉さんとは2つ違いです、姉さんはうちの家族の中でも一番頭がいいです。お部屋には父さんに行って図書館で借りて来た本や買って来た本。
自分で書いた白紙のノートが沢山あります。部屋の壁がそのうち、本で埋まっちゃうだろうなと父さんは笑っていました。そうなると床が抜けないか心配です。
ちなみにうちの家族は母と僕以外は皆赤系の髪色をしています。
父さんや兄さんは純色に近い赤、姉さんは桃色に近い赤です。
「ティグレは私が聖堂に連れて行くでいいのよね、ジャガー」
「ああ、頼むよネイコ、俺はまた、仕事を頼まれてよ、家族といる時間が減るから遠出の仕事は寄越すなって言ってんのによ」
父さんと母さんが今日の予定を話し合っています、今日僕は一つ大きな節目を迎える事になっています。この世界の人は必ず神様から送られる才能と呼ばれる者を持って生まれます。それは大なり小なり必ずなんだそうです。この才能を指針に人生を決めて進むかそうじゃないかは人それぞれですが、才能が人生に大きく関わらないという事はありません。
それゆえ、子供は皆5歳を迎えたら、街や村の神官様の所に行き、才能鑑定の儀を受ける事になっています、今日僕はそれを受ける日なのです。
「ご馳走様、俺は道場があるので先に出ていますね」
「私もこの前の本は読み終わったから、図書館に返しに行ってくる」
「ええ、2人とも馬車に気を付けるのよ、知らない人にもついていっちゃ駄目よ」
「「はーい」」
いつのまに兄さんと姉さんは朝ご飯を食べ終えていました、僕はまだ食パンを半分も残しています。僕は2人よりも小さいし仕方ありません。急ぐ理由もないのでゆっくりとよく噛んで食べましょう。
「さてと、ご馳走様、俺も行って来る、なるべく早く終わらせると思うけど、家の事任せっぱなしでごめんな」
「大丈夫よ、お仕事頑張ってね」
兄さんと姉さんが出た後、次は父さんが出て行きます。玄関の前で剣を腰に下げ弓と矢筒を背負います。父さんは弓術の才能を持っているので弓の達人です。
いつも通りの会話を交わした後口づけをします、愛する人同士は唇同士を触れ合わせる事で愛を確かめるそうです。姉さんは男の人とそういうことするの気持ち悪いとよく言ってます、姉さんは自分より馬鹿な男に対してはつっけんどんです。
「ごちそーさまでした、かーさん、たべおわりました」
「はい、お粗末様、全部食べて偉いわね、今日はお外に出かけるからね」
「はい、わかりました」
最後に僕も自分のご飯を食べ終えたので、お皿を母さんに渡します。
すると先ほど父さんと話していた通り僕も今日はお出かけです。
僕は今日のおでかけが始めてです、街には何があるかとても楽しみです。
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