ナナ、テレビに出る!?(2)

 収録日を3日後に控え、当の本人たちはいつものようにカウセリングをこなし、特に緊張している様子はない。


 収録日。田中先生は、伊達メガネとマスクをつけ。ナナは、いつものようにキャリーバッグに入り、ナナの姿は見えないようにしてある。

 田中先生は、自分の車に乗り込み。ナナは、いつものように後部座席のドライブボックスに入り。2人は、テレビ局に向かった。

 

 収録内容は、事前に鈴が確認している。まず控室に通され、次にスタジオに入り、簡単なリハーサルが始まる。それが終わると本番収録が始まる。


 その内容は、まず動物型人相学とはなんなのか対談が始まり。次に、この番組のデレクターは、猫を飼っている。しかし、私にはなつかず妻にはなついている。ところが、最近になって急に妻になつかなくなり、原因がわからない。そして、私を睨むような感じで見ている。いくらなつかなくてもこんなことはなかった。この原因を知りたい。この悩みを解決するためにカウセリングが始まる。カウセリングが終わると、その診断結果を番組のデレクターに報告して収録が終わる。2人には、このことを踏まえて、その対策もしてある。


 2人は、テレビ局に向かって1時10分経ち、テレビ局に着いた。広々とした駐車場に車を停め。田中先生は、辺りを確認し、怪しい人物がいないか確かめ。ナナは、いつものようにキャリーバッグに入ると。2人は、テレビ局の中に入り、受付カウンターに行くと。今回2人が出演する番組のデレクターが現れ。まるで2人を大物芸能人扱いで名刺を渡し、2人を控室に案内した。


 この2人、芸能人にはあまり興味がない、動物には興味があるが。それゆえに辺りをキョロキョロしたりはしない。緊張は少ししているようだが。

 2人は、10分くらい局内を歩いていると、控室の前に着き。10分ほど控室で待ち、そのあとスタッフが呼びに来る手はずになっている。

 2人は、控室に入ると、小上がりの畳の部屋があり、暖房もきいている。

 田中先生は、手提げバッグから超小型無線機と片耳イヤホンを取り出し、動作確認を始めた。

 ナナは、一旦、キャリーバッグかせ出ると、辺りを見渡し、これから1時間くらいキャリーバッグの中に入ったままになる、放送は10分程度。

 田中先生は、機材を確認すると。超小型無線機をキャリーバッグの中に仕込み、これで準備はOK。しばらくすると、番組スタッフが2人を呼びに来た。

「すみません、リハの準備が整いましたので、よろしくお願します」

「わかりました」

「あのー、そのバッグは?」

「これがないと、ちょっと落ち着かないもので、何か変ですか? ダメですか?」

「いえ、大丈夫です」


 2人は、番組スタッフのあとをついて行き、スタジオに入ると。テレビでよく見る女性キャスターが段取りを確認していた。

 ここでは、名前は鈴木と名乗り、仮名で紹介され。顔にもモザイクが入り、声も変え、これでバレることはない。

 すると、そこへ角野教授が現れ。キャリーバッグと手提げのバッグを田中先生から預かり、簡単なリハが始まった。

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