動物カウンセリングの開設(2)
11月13日に、動物カウンセリングの開設されることが決定し。提案書は回収され、シュレッダー行きとなり。ナナと田中先生は会議室に残り、他のみんなはそれぞれの持ち場に戻って行った。
「先輩、どうします? なんか勢いで言っちゃいましたけど……」
「そうね!? どうしょうか……? って、冗談を言ってる場合じゃないの!? 早く、内装のデザインを決めないと」
「それもそうね。冗談を言ってる場合じゃないよね。先輩、今から私が言う図面をボードに書いてもらえます? 私、猫なので」
言う間でもないが、ナナの記憶力はもの凄くいい。予備室1と予備室2の部屋の大きさは記憶している、1回見たものは忘れないが、たまには忘れるものもある。
ナナの言う通りに田中先生は、図面を書き、あっという間に部屋のレイアウトが決まって行き。30分後、ナナの意見が9割通り、あまりもめることもなくすなり内装のデザイン案が完成し。それをノートに書き写し、ナナはキャリーバックの中に入り、2人は院長室へ向かった。
その頃、鈴はというと、窓の外を見ながらスマホで誰かと話している。
「社長のお気持ちは嬉しいのですが、それでは他のお客様に迷惑がかります。当病院だけを優先するっていうのはやめてください。それに代金まで半額って、ちゃんと支払ますので……」
その時、3階の院長室のドアをノックする音が聞こえ。
「……どうぞ入って……。社長、すみません。仕事が入りましたので、再度こちらからかけ直します」
鈴はスマホの電話を切り。
「田中さん、どうされました……? あれ? もしかして、ナナ、ねちゃってる?」
田中先生は、キャリーバックの小窓を覗き込み。
「……そう、みたいですね……。院長、内装のデザイン案できました」
「えっ!? もうできたの? 相変わらず仕事早いね。今ちょうど、リフォーホームの業者に連絡していたところなの。でも、こっち方を優先するって言うのよ、他のお客様がいるのに。それに、代金まで半額にするって言うのよ!? どう思う?」
「それって、もしかして、例のファンクラブの会員の方ですか?」
「そう、そうなの。こまちゃうのよねー……。みんないい人ばかりなんでけどねー……」
「院長、なんか自慢入ってません?」
「……何言ってんの? そんなわけないでしょ」
「ならいいんですけど、調子に乗ったら、副院長を呼びますからね!?」
「それより、内装のデザイン案、見せてくれる?」
田中先生とナナは、隣り合わせにソファーに座り、テーブルを挟んで向かい合わせのソファーに鈴が座り。田中先生はノートを開き、デザイン案のページを開いてテーブルに置き。鈴は、内装のデザイン案を見ていると。
「先輩、例のファンクラブってなんですか?」
「ナナ、起きてたの!?」
「それより、例のファンクラブって何?」
「そこ、気になる!? 気になるかー、気になるよねー。院長、例のファンクラブのこと話していいですか?」
「……いいわよ、話しても。しかし、この部屋によく詰込んだレイアウトね。わかった、この内装でいいでしょう。さっそく社長に連絡してくわね」
「院長、ありがとうございます」
2人は頭を下げ。鈴はスマホで先ほどのリフォーホーム会社の社長に連絡を取り始め。ナナはキャリーバックな中から出て、背伸びをしていた。
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