第3話 剣の稽古
「リン!稽古をするにゃー!」
グレイの提案で私は剣の稽古をすることになりました。
「言っておくけど、私、まったく体力ないからね?」
「わかってるにゃ。だからこその稽古にゃ。」
私は城内の庭に連れてこられる。
そこにはすでに猫人がいた。
「剣術指南役のミケと申しますにゃ。よろしくお願いしますにゃ。」
三毛猫さんだ。
オスなら珍しいなー。
「残念ながらメスですにゃ。4児の母ですにゃ。」
あら、お母さん。
「ご安心ください。母としても剣士としても、誰にも負けるつもりはありません。」
「よ、よろしくお願いします。」
肉球と爪を器用に使って剣を構えるミケさん。
私も伝説の剣をよっこらしょと構える。
伝説の剣は、構えた途端、羽のように軽くなった。
刹那、ミケさんが斬りかかってくる。
ガキィン
私の意志とは関係なく伝説の剣はミケの剣を受けた。
身体が軽い。今なら空も飛べそうだ。
足に力を込めてジャンプ。
5メートルは飛んだ。え、こわい、私、高所恐怖症なんだけど!
空中で一回転して、そのままミケの頭に向けて振り下ろす。
ガガっ
ミケはよけながら剣の腹を使って受け流した。
「やりますね。さすがリン殿は救世主であらせられるにゃん。」
「いえいえいえ、勝手に身体が動くんです。私こんなに動いたことないです!」
「ふむ…では、それも伝説の剣の力なのでしょうかにゃ?」
「た、たぶんそうだと思います。」
「では、伝説の剣を置いてみてください。」
「わかりました。」
カラン
伝説の剣をその場に置いてみる。
その瞬間。ドッと疲れが身体を覆う。
足の筋肉痛が特にやばい。
立ってられなくて、その場に崩れ落ちた。
「いたたたた~。なにこれ!全身痛いよ!」
「ふむ。剣を使ったあとにフィードバックがあるのですね。」
「う、動けない…。し、しにそう。」
「休憩にしましょう。グレイ様、伝説の剣を使うのは危険かもしれませんにゃ。」
「うむう。これは予想外だにゃ。困ったにゃ。とりあえずリンを休ませるにゃ!」
数人?の猫たちがわらわらと私に集まり、担架を使って運び出す。
ああ、もふもふだ。猫の手が全身を揉んでくれてる。
肉球気持ちいい。
私は今後どうなるんだろう。
戦いになったら、伝説の剣で戦わなきゃいけないのかな?
相手は犬さんなんでしょう?
あっちももふもふ。こっちもモフモフ。
戦わないで仲良くできたらいいのに。
あまりの疲れに…眠りに…落ちた。
一方そのころ、ワンダーランド。
犬人たちの小国家である。
「キャットグラスはまだ攻め落とせないのかわん?」
玉座のセントバーナードが重々しく問いただす。
「はっ!次回の侵攻で必ずや攻め落としてみせましょうワン。」
パグのパックがはぐはぐ返事をする。
「よくぞ申した。ではゆけ、パックよ。必ずやキャットグラスを阿鼻叫喚の地獄絵図にしてくるわん。」
「はは~!かしこまりました!」
キャットグラス侵攻作戦が始まる。
果たしてどうなるキャットグラス!
リンは活躍できるのか!
続く!
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