7-7:それぞれの様子
・「じいちゃん」の様子を見る/アル、リズ
GM : では、君たちは「じいちゃん」と呼ばれる狼――ヴァルグに近づきます。
アル : おそるおそる。
ヴァルグ。
幻獣に分類されるエネミーの一種で、集団で狩りを行う狼のような獣だ。
本来はかなり凶暴かつ好戦的で、人間に対して敵対的な態度を見せる。
はずなのだが……。
狼 : もふ。
アル : え?
GM : 暖炉でごろごろしてますね。
アル : なーにが「もふ」ですか!(一同笑)
リズ : かわいいですね~。
GM : おふたりを見ても飛びかかるどころか、そもそもあまり歩き回りません。シランに呼ばれた時だけ外に出ますが、基本的にはここでじっとしてるのが彼の日常のようです。
ここで、GMから見識判定/11の要求。全員なんなく成功させているが、ログを見ればなんとここでソレルも判定に参加していた。
さっきの行動予定表はなんだったんだ? しかしこの場に限らずとも、その場にいるなら参加しない理由はないのかもしれない。適宜変更していいよって書いてあったしな。
GM : ではこのヴァルグ、「じいちゃん」と呼ばれる通りかなりの高齢です。本気を出せば「ダイアヴァルグ」相当のデータも出せるようですが……そう何度も全力を出しては、死期が早まるかもしれません。毛並みもしょんもりしている。
アル : おそるおそる近づいて、自分がいつも手入れしているテクを使ってみようとします。もふもふの秘訣!
狼 : 許すのポーズ。
アル : わーい! じゃあ自分の荷物から櫛とか美容液的なものとか出してお手入れし始めます。
アル : 「これ使うと、毛並み良くなるんですよ~」すりすり
シラン : 「よかったな、じいちゃん」
狼 : ぱふぱふ(振っている尻尾が床にあたる音)
アル : かわいい……。
ソレル : ほわほわした温かい表情で眺めています。
リズ : ほわほわしながら悶絶しています。
シエル : いやぁ、シランが加わってよい4人パーティーですね。
SGM : 自分で言うのか……。
—----------------------------------------
・サロン-リコリス/シエル
GM : では次シエルさん。最初に何します?
シエル : リコリス。
GM : はい。リコリスは相変わらず妙な人懐っこさと、妙な人見知りが混在したような性格でぐいぐい来たり来なかったりします。
シエル : では、まずはお互いに信仰についてとか話して仲良くなりつつ、暖炉で独りごとを言うリコリスイベントを回収して、冒険譚関連で少年心をくすぐって、最後に廊下で寝るリコリスに部屋入って寝てもいいよと誘います。一週間の流れ(仮)。
完全にチャートが出来上がっている。RTAかな?
GM : OK、RTAされました。では3日目くらいに気付きますが……1周目で全員が館にいた時より、リコリスのシエルへの依存度が高いです。
アル : あれ以上高くなるんですね……依存度……。
シエル : 依存度が分散されないからね。
リコリス : そうなの。ほんとに犬のようにつきまとっています。
サリュ : 「仲良し! ですね」
シエル : 「ありがと! サリュのご飯も最高だよ!」
サリュ : 「嬉しいです!」
ライティア : 「…………」
オーウェン : 「仲良さそうでよかったなぁー?」
GM : そんな感じです。
シエル : そうだ。オーウェン先生に、後で薬草について教えてもらおうかな。
オーウェン : 「お? いいけど。興味あんの?」
シエル : 「まあいろいろと、あとは皆さんとも仲良くなりたいですから」
リコリス : 「……先生。僕もたまには勉強してみようかな」
オーウェン : 「……仲いいな!」
リコリス : 「ええ」
仲いいな!
—---------------------------------
・建物の周囲の様子を見る/ソレル、アル
GM : やってみましょう。探索判定/12です。……おふたりとも成功ですね。
どうやら、こちらをチラチラと伺う者が周囲に出没しているようだ。
顔ぶれを見れば、以前街で見かけた若者たち。その視線は厳しく、忌々しいものを見るような目つきだ。
GM : そんなある日。あなた方が外に出ると、シランが家の壁をモップで擦っていました。例の落書きを消しているようです。
アル : 手伝います!
シラン : では、手伝いそうな雰囲気を見ると「ん」とモップをもう一個持ってきて当たり前のように渡す。
ソレル : 水汲んだりします。
シラン : 「どうせ毎回外出する度に書かれるのだから、消さなくてもいいかと思ったことはあるんだが……兄さんがこれを見ると、心配するから」
「まあ、兄さん、最近全然来ないけどな」
ソレル : 「そうなの?」
シラン : 「前周なんかは割とよく来た。でも、その前の周ではあんまり来なかった……本来よく来るから様子を見に行ったら、お前達がいた」
全員 : あー。
ソレル : お前も負けヒロインか。(一同爆笑)
シラン : 「兄さんが幸せそうならそれでいい」
アル : やっぱり負けヒロインじゃないですか!
リズ : 負けヒロインですねぇ。
ソレル : 「それでいいなら私からは言うことないかな」
シラン : 「うん」
兄さんはすごくしゃべるのが好きで、人と一緒にいるのが好き。
これまでずっと、それなのにひとりだったから。
シラン : 「正確には仲間はいたみたいだけど、『人』の友達は初めてだったみたいだから。これでいいと思う」
アル : 「そう……だったんですね」前ループの最後を思い出してる
ソレル : 「あれ、ライティアはともかく、オーウェン先生とかは?」
シラン : 「先生は先生で友達じゃない。私たちの恩人だから敬語使う」
ソレル : 「そっか、その理屈だとサリュもまあそうね」
シラン : 「……あれは論外」
ソレル : 「ほ。そこまでとは」
シラン : 「論外。仲良くならない方がいい。お前たちもやめとく方がいい。忠告。ほっとけ」
アル : 「どうしてなんですか……?」
しばしの沈黙。
シラン : 「友達がいなくなったら寂しくなる。寂しいのは哀れだ。とりあえずおすすめしない」
アル : 「は、はい……」
ソレル : 「うん、参考にするね」
シラン : 「よし」
言い終わると、シランは無言で落書きの掃除に専念し始める。
冒険者達はお互いに顔を見合わせながら、掃除に精を出すのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます