第22話 超能力少年はダンジョンの深部で衝撃的な出会いがあるようです
時は少し遡る。渋谷のダンジョンがまだ存在していたとき、白夜雪兎(びゃくやゆきと)はダンジョンを攻略していた。
176階層まで攻略を終えていた雪兎は、さらに歩を進めていた。
ダークオークバーサーカーを相手に念動力だけで相手をしている。
いや、相手になってない。
ダークオークバーサーカーは直ぐに首を捻られて死ぬ。
177階層まで来た。
そこは溢れる光が目映い聖者の空間だった。
だがそこには光の幽霊たちが彷徨っていた。
シャイニングゴーストが雪兎を襲ったのだ。
念動波動をぶつける。
溶けるように破壊される光の幽霊たち。
だが光の刃が飛んでくる。
雪兎はそれをテレポーテーションで回避する。
そのまま念動砲で光の幽霊たちを粉砕する。
しかし道が平坦だが目映いほど眩しい。
神殿のようなところに出る。
そこには光の石像がいた。
そいつは力強く金剛仁王像のような感じだが、西洋的なギリシャの雰囲気がある。
そいつが言葉を発した。
「挑戦者よ……何故貴様はここに来た……ここは神聖な場所だ。お主のようなハグレの力の持ち主が来ていいところではない。去れ!! 去れ……去れ……去らぬのなら我がお主を排除する!!」
そして光の石像が動き出す。
雪兎に向かって足を振り下ろす。
雪兎はテレポーテーションで回避する。
そして念動力の塊をぶつける。
サイコガンを放つ。
光の石像はところどころ粉砕される。
そのままさらに、サイコガンで破壊する。
新しく覚えたスキル『氷河』で凍らせる。
そして念動槍を放ち破壊する。
あんまし強い敵じゃなかったね。
雪兎は余裕の顔をしていた。
そうして183階層まで来た。
ダークナイトメアと言うローブを纏った骸骨の奴が出てきた。
暗黒魔法を放ってきた。
念動反射を使う。
暗黒魔法をそのまま跳ね返した。
ダークナイトメアはさらに地獄の業火を放ってくる。
新スキル『熱吸収』により、炎系の攻撃は全て自身のMPに還元される。
そしてスキル『念威圧』により相手を怯ませる。
さらにスキル『魔轟弾』により轟く破壊の弾丸が放たれた。
まだまだだ。僕はまだ先を目指せる。
いくらでも先を目指せる。
188階層まで来た。
レベルは120まで上がっている。
スキル『超念成長』により経験値取得量が通常の4倍になっている。
これで物凄いレベルの上がり方だ。
さらにスキル一覧にある『念邪黒魔怪衣』を取得した。
念動力の邪を強くした衣で展開しているとき、闇の力が10倍に跳ね上がるようだ。
既に暗黒魔法を使用できる。
敵を暗黒の世界に取り込んだり、暗闇にしたり、洗脳したりできる。
混乱状態に出来るので相手は味方同士で同士討ちを始める。
さらに暗黒の波動を放てるので敵は気分が悪くなる。
出てきたモンスターはシャイニングサーペント。
白い蛇だ。
昔から白い蛇は縁起が良いと聞くが……
だが、その白い蛇は獰猛だった。
光の刃を放ち攻撃してきた。
シャイニングジャベリンを放ってきた。
光の槍だ。
こんな高位な魔法を野生のモンスターが使ってくるなんて。
雪兎は油断はしていないが、それでも驚いた。
雪兎はそれでも冷静を取り戻そうとしていた。
そして暗黒魔法で相手を混乱させた。
そのまま暗闇にして、サイコガンで倒した。
サイコガンも既にLv.5になっており、光線銃のようになっている。
弾が相手に当たると相手が爆散するのだ。
もはや念動弾ってなんだっけ? となる具合の変わりようである。
念動光線弾とでも呼べばいいのか今の状態は。
凄まじい破壊力を誇るサイコガンから弾を発射して一息つく雪兎なのであった。
190階層まで来た。
ボスはシャイニングベアキング。
もはやなんの魔物なのかわからなくなる。
光の熊の王と言えばいいのか。
光のごとき素早さで雪兎を追い詰めていれば、勝てただろうか。
実際はまあまあ速い速度と言ったところか。
そんなの星雷速の腕輪をつけている雪兎の前では止まって見えるレベルだった。
反応速度ももはや人外レベルまで鍛え上げられた雪兎の反射速度で光の熊の王の横をつき切った。
横を通る時に手を少し当てる。
念動爪を展開していた雪兎は斬り込むように光の熊の王の横腹を抉った。
念力の爪はシャイニングベアキングを一撃で抉り斬り殺した。
光の粒子となってモンスターは消滅する。
熊の皮と肉と睾丸と爪がドロップされる。
宝箱も出る。
中身は熊の皮を使ったコートのようなもの。
シャイニングベアコートと出た。
これは普通に使えないな……と雪兎は残念がる。
売れればいいのだが……そうも言ってられない。
収納空間の肥やしになるが仕方ない。
そして191階層まで来た。
シャイニングホラーナイトが出てきた。
光ばかりである。
光属性は何かあるのか。
だがしかし強力な敵ばかりである。
念動爆弾で吹き飛ばす。
一撃である。
進む。
進む、少しずつだと遅いので物凄い速さで進む。
時速180キロぐらいだろうか。
そんなむちゃくちゃな速さで進む。
あっという間に192階層まで来て、193階層も突破。
194階層も、195階層も、196、197、198も。
そして199階層も。
200階層まで来た。
敵はホーリードラゴン。
ここに来てやっとまともな奴がきたと思った雪兎なのであった。
ドラゴンである。
ドラゴンだ、あのドラゴンだ。
今まで出てきたどんなモンスターよりも強力な敵だ。
ホーリードラゴンは開幕に凍える吹雪を吐きだした。
物凄い冷気を感じる吹雪だ。
だが、そこを念動障壁を展開して、防ぐ雪兎。
さらに追い打ちをかける。
ホーリードラゴンはセイントホーリージャベリンの魔法を放ってきた。
無数の光の聖槍が放たれてくる。
すべてテレポーテーションで回避する。
そして超念動破壊衝撃弾を放つ。
ホーリードラゴンは破壊的なダメージを受ける。
だが辛うじて生き残っていた。
雪兎はフィニッシュを決めようとする。
暗黒魔法による重力砲を放つ。
そして聖光魔法によるセイントシャイニングランスを放つ。
ホーリードラゴンは虫の息だ。
止めの超念動破滅弾を放つ。
破滅的な一撃がホーリードラゴンを襲う。
ここでホーリードラゴンが死んだ。
消滅する。
そしてホーリードラゴンの皮と爪と牙と肉と目玉と鱗が落ちた。
宝箱はホーリードラゴンローブが出現した。
なかなか強力な防具だと思った。
そして奥の方に行くとなんか封印された箱があった。
開けてみると、中には小さい人? がいた。
「ぷはーっ!! やっと出れたのです! あなたが封印を解いてくれたのですか?」
「なんだこいつ? 妖精か?」
「そうなのであります! ミリア・ベルは妖精であります。ありがとうなのです」
「もしかしてもついてくるき満々だな、いいぞ、お前は面白そうだ」
「ご主人様といいましょうか?」
「雪兎でいい」
「雪兎様!! これからもよろしくです!!」
そして僕たちはダンジョンを出た。
どうやらダンジョンはここまでだったようだ。
ダンジョン踏破特典として念動力が超念動力に進化した。
そのくらいだな。
そして僕たちは家路に着いた。
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