(二)-6
忙しい店内では店員だけでなく辰巳と千川の両側の席も五分、一〇分で次々と入れ替わっていった。そんな中で、二人は追加で瓶ビールを頼んだ。
店員は「まだ飲むのかよ」と呟やき、厨房にビールの注文が入ったことを告げると背後で呼ばれた客の方を向いた。
千川は「はぁ?」と声を上げた。辰巳は「止めとけよ」と応じた。店員は千川の言葉に気づいたふうもなく、仕事に集中していた。
その少し後、店員の赤塚が栓を開けたノッポロビールのビンをもって二人の前に置いた。
ビンをテーブルに置いたときに、ガンと音が鳴った。静かではない店内にも音は鳴り響いた。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます