34  またも街角で


乾燥注意報だらけ

途方に暮れる街角

掌がからっぽ、というわけじゃない

     

するべき宛はある

ありすぎる

したい宛はある

ありすぎて

踏み出せない


なにもできない

白々と建物は四角だ

閑散とたんぽぽ多数


駅に来れば

逡巡はもっと重大だ

右か左か


季節がら

桜をはじめ 愛と好奇心まみれ


諦めてバスストップに向かえば

また選択にさらされる

帰るか食べるかの


冷蔵庫におにぎり

賞味期限はまさに今


とりあえず帰る


ミスドのコーヒーも捨て難い誘惑

掃除も埃も待っている


しかし、母も桜も待ってはくれない

よし、と立ち上がり

ひとつずつかたづける気力が

無い、のだな、これが


どうする


麻薬でもやるか

脳の気分さえ良ければ

うろうろしないですむ


が、所詮は脳の満足

これとても際限がない、ときてる


どうしよう

老いた影をひきずる

青い瞳の小花が

ちらちらと

揺れて今年の挨拶

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