【愛しい君へ~】





 いつかお爺ちゃんお婆ちゃんになって


 その時を迎えるまで、ずっとずっと


 君の隣にいたかったーー






※※※







 君と初めて出会ったのは、小学3年生の頃。クラスが同じになった事がキッカケだった。


 垂れ目がちの大きな瞳に、色素の薄いサラサラの髪。

 真っ白な肌にほんのりと色づく頬。小さめだけど、スッとした綺麗な鼻と小さな口。


 まるでーーお人形さんみたいな子だなって。そう、思った。


 こんなに可愛い子がこの世にはいるんだって、俺はビックリしたんだ。


 家が近かった事もあって、すぐに仲良くなった俺達。

 同級生よりも身体の小さかった夢は、俺にとってまるで妹みたいな存在だった。


 俺が、守ってあげなきゃってーー



 可愛くてよく男子にからかわれる事の多かった夢は、よくイジメられて泣いていたね。

 泣いている夢を慰める為に頭をポンポンと撫でると、まるで花が咲いたかのような笑顔を見せる夢。

 俺はそれが嬉しくて、いつからか頭を撫でるのが癖になっていた。



 そんなある日、俺の中で小さな変化があった。

 他の子と仲良くする夢を見て、夢の1番は俺でいて欲しいって。そんな、独占欲にも似た感情が芽生えるようになっていた。




 ーーいつからか俺は、夢の事を1人の女の子として好きになっていた。




 2人の気持ちが同じなんだと知った時は、俺は凄く嬉しかったんだ。

 これからも、夢の事をずっと大切にしてあげたい。


 君が怖がるもの。君を泣かせるもの。全てから、守ってあげたいーー


 ずっとずっと、俺が守ってゆく。そう、強く思った。







ーーーーーー



ーーーー








 遠くなる意識の中で、夢の笑顔を思い浮かべる。



 可愛い、可愛いーー夢。




 俺は最期のその瞬間まで、ずっと君を想い続けていたーー





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