レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされた俺は大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ。なんとしても元の世界に俺は帰る~
第175話 おっさん、宝石魔導士会を認めさせる
第175話 おっさん、宝石魔導士会を認めさせる
「では、宝石魔導士会の発足を祝って、乾杯」
「「「「乾杯」」」」
4つの魔導士会が一堂に会した。
「おや、どこかで会ったかな」
宿敵フレッドが思い出そうとする素振りで言った。
この顔、この声を俺は覚えているぞ。
フレッドをここで始末したいがぐっと堪える。
「いや気のせいだろう」
「しかし、女の会長ってのも花があっていいねぇ」
レグラスがそう言って酒を飲んだ。
「なめられるだけだと思うがな」
とルーク。
「私は単なる神輿です。肝心な部分はムニがやっています」
「ムニと言うと詐欺師として有名な奴だな」
そのフレッドの一言を聞いて場に緊張した空気が流れた。
俺がやらかしそうな空気を感じ取ったみたいだ。
殺気が知らず知らずのうちに漏れていたのかも知れない。
「そうさ、俺がちまたで話題の詐欺師のムニだ。だがな、魔導だろうが手品だろうが。現象が起こるのなら、そこになんの変わりがある。魔導で殺そうが、毒の短剣で殺そうが、死ぬには変わりない」
「ふん、高貴さの欠片もない」
「確かに生まれも能力のうちの一つだ。しかし、人間はそれだけじゃないんでな」
「お前とは相容れないようだ」
「分かってもらおうとは考えてない。ただ、俺が思っている事を言ったまでだ」
「まあまあ、せっかくの酒が不味くなる」
「宝石魔導士会はどんな人間とも仲良くしていきたい。悪人でない限りはな」
「金属魔導士会は宝石魔導士会と仲良くしたい」
「万物魔導士会は利があるうちは付き合ってやる」
「ダイヤモンド魔導士会は存在を認めんと言いたいが、二つの魔導士会の顔に免じて認めてやる」
「それで結構だ」
なんとなくギスギスした感じで会合は終わった。
帰り道、ジャスミンと連れ立って歩く。
「ねぇ、ムニ。ダイヤモンド魔導士会のちょっかいは終わるかしら」
「終わらんだろうな。ただ、宝石魔導士会は表向き認められたってところだな」
「やっぱりねぇ」
「金属魔導士会は新しい属性に興味津々だから、宝石魔導士会に対して理解がある」
「それは分かるわ。あそこは金属魔導士なら何でも良いから」
「権力を拡大する為に人を増やす事が重要だと考えたんだろう。万物魔導士会の思考も単純だ。今の2位の位置を確保したいというところだな」
「確かに、サファイヤとルビーを万物魔導士が使うと威力が高いのよね」
万物魔導士がサファイヤとルビーを使った場合の威力度数は82。
鉄魔導士が鋼鉄を使った場合の威力度数は74。
宝石魔導士がサファイヤとルビーを使った場合の威力度数は72。
「うん、魔導士会の順位は順当だな」
「何感心しているのよ」
万物魔導士はサファイヤとルビーが貴重でやたらめったら使えない。
他の宝石でも触媒として使える物はあるけど、威力は少し落ちる。
だが、万物魔導士は魔導士としては使い勝手良い。
鉄魔導士は鋼鉄が豊富なのが強みだ。
宝石魔導士はアルミが触媒として使えたとしても強みが薄い。
「宝石魔導士会の強みが薄いな」
「やっぱり土魔導士を取り込みたいわね」
「そうだな。シリコンの情報を安易に渡して良いものか」
「駄目ね。土魔導士が自分たちで魔導士会を作るのが、目に見えるようだわ」
「いっその事、宝石魔導士会を土魔導士に牛耳らせたらどうかな」
「良いわね。ダイヤモンド魔導士会も手が出せなくなるかも」
ええと、シリコンの威力度数は70ぐらい。
水晶の威力度数は56ぐらい。
うん、シリコンの情報を渡すと大幅な戦力アップだな。
ただ宝石魔導士には負ける。
バランス的には良いのかもな。
「よし、その方向で進めてくれ。宝石魔導士会を乗っ取りませんかと声を掛けてくれ」
「どうしようもないのばかり集まって来たらどうするの」
「その時は分裂するだけだ。宝石魔導士の触媒はおさえているから、問題ないだろう」
「そうね、私もそうすれば肩の重荷を下ろせるわ」
「よし、河原に行くぞ」
「何するのよ」
「シリコンを作る」
俺達は街のそばを流れる川に行った。
半透明の白い石を探す。
あるなゴロゴロしている。
「
銀色の金属が出来上がった。
「これを持って土魔導士を口説きに行けばいいのね」
「土魔導士は水晶魔導士だから、宝石魔導士にふさわしいなんておだててやれよ」
「ええ、任せて」
「シリコンの作り方は最初秘密にしろよ。宝石魔導士会を運営してくれる段になったら言うんだ」
「分かってるわ」
これで、土魔導士が仲間になるといいと思う。
もし、失敗して土魔導士単体で独立したら、ダイヤモンド魔導士会のけん制ぐらいにはなるはずだ。
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