レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされた俺は大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ。なんとしても元の世界に俺は帰る~
第24話 おっさん、盗賊討伐を持ち掛けられる
第24話 おっさん、盗賊討伐を持ち掛けられる
朝の冒険者ギルドは大変賑わっていた。
俺はエティの顔を見つけその窓口の列に並んだ。
列の歩みは中々進まない。
俺は三人が今頃何してるかなとぼーっと考えた。
三人には三日間の休暇を与えてある。
アルマは砂糖が欲しいと言ったので、魔力通販で買って渡したから、クッキーでも焼いているだろう。
姉妹は新しいDVDを欲しがったので、海中の映像のDVDと動物の赤ちゃんのDVDを渡しておいた。
いつの間にか俺の番だ。
「おはようさん」
「おはようございます」
エティは何時にも増して眠たげだ。
「今日はこれを鑑定して欲しくて」
俺はスキルオーブを取り出した。
「スキルオーブを持ってくるとはさすがSランクですね。お預かりします」
俺はスキルオーブを渡しベンチで待つ。
しばらくして呼ばれたので窓口に行く。
「どうだった?」
「金属魔法でした。珍しい物もってきましたね」
俺は鑑定書とオーブを受け取り、料金を払う。
「指名依頼が入ってますよ」
エティがおずおずと切り出してきた。
「へぇ。どんなの?」
「それが、盗賊討伐です。ムニさんにとっては簡単だと思うけど」
「盗賊かぁ。あまり気が進まないな」
「受けて貰わないと困ります。それに評価が下がると降格もありえます」
「仲間と相談してみるよ。じゃ」
エティと別れスラムに足を運んだ。
◆◆◆
「ケイムいるかぁ!」
俺はケイムの家に入り声を上げた。
「奥に居るぞ! 入って来い!」
ダミ声で返事があった。
「じゃまするよ。今日は結合魔石を自分でも作れないか方法を聞きにきたんだ」
「ギルドの秘密事項だが、お前には世話になっているからな。混合と変形のスキルを同時に使うと結合魔石が出来る」
二つもスキルが必要なのか。また金が要るな。
一億の商品があるから簡単になんとかなると思うけど。
「ありがとよ。報酬は何時もの紙で良いか?」
「ああ、それで良い」
俺は紙をアイテムボックスから出して、宿に帰った。
◆◆◆
アルマの部屋に行くと、焼きたてのクッキーの良い香りが漂っていた。
三人でお茶をしている。
「ちょうど良かった。指名依頼の盗賊討伐が入ったんだけど、どんなもんかな」
「人間相手は少し抵抗があるんやけど」
少し顔をしかめるアルマ。
「しょうがないんじゃない。誰かを殺しているという事は殺される覚悟もあると思うから」
「因果応報」
姉妹は討伐賛成か。
スラムの人間は物を盗む事はしても人は殺さない。
怪我させるのも避けるぐらいだ。
なぜなら報復が怖いからやらないんだと思う。
スラムの人間が罪を犯して捕まると裁判無しに刑が執行される。
そして、スラムの人間同士の喧嘩で死人が出ると殺した方は密やかに始末された。
それがスラムの法だ。
姉妹はその理論に則って意見を言っているのだろう。
避けたいけど避けては通れないんだろうな。
「休み明けに指名依頼を受けよう」
「分かったわ。ご主人様がおっしゃるなら、しゃあない」
「手伝います」
「助力」
「それと、スキルオーブだけど金属魔法だった。誰が使う?」
「私は水魔法もらったから」
「火魔法希望」
「うちが使こうてみたい」
スキルオーブをアルマに渡すと、アルマの手の中からスキルオーブが消えていった。
「無事覚えられたみたいだな。ところで金属魔法ってどんなだ?」
「魔法を行使するのに金属の塊を持ち歩かへんといけへんのでマイナーやね」
それなら良いのがあるな。
「
パサリパサリと金属の板が落ちる。
「使ってみてくれ。チタン板だ」
チタンの板は親父がDIYで使うというので注文してやった事があった。
「つこてみます。
チタン板が無数の針になり空中に浮かぶ。
「なんか、格好いいな」
「
チタンの剣が空中で踊る。
「こわいくらい切れそう。私は水魔法で充分」
「魔法羨望」
「
俺は角材をアイテムボックスから出した。
「とりゃ」
手に持った角材がチタンの剣でスパッと切り落とされた。
うん、戦力になるな。
チタンは少なくとも鉄より硬いはずだ。
鋼鉄とどっちが硬かったかな。
覚えてないや。
鋼鉄の剣よりチタンの剣の方が凄そうだ。
だから、これはこれでいい。
「俺も魔法が欲しくなったよ。俺はこれからスキルオーブを探しに行ってくる。留守番を頼む」
魔法は欲しいが、前衛の俺が覚えても使い道がない。
とりあえず後回しだ。
まずは混合と変形スキルだな。
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