第29話 29.待ち合わせ

<麗香>


館内放送で私の名前を呼び出された事で、やっと意識が戻ってきた私・・


『はぁ~~』


私、お昼から今まで何してたんだろう。全然記憶にないわ。

『あの豚野郎とお見合い・・』

『あの豚野郎と結婚・・』


あ~嫌だ~~何もかも嫌になっちゃった

あ・・来客

多分真也のハズ!!

急いで行かなきゃ!!


私は自分に割り振られている部屋から出て、速攻でエレベータに乗って一階のロビーに降りて来た私

そして一階のロビーを見回して、真也の姿を探すのに見当たらない?

私に来客って真也じゃなかったの?

でも・・もう17時!!

『この時間に私に来客があるのは真也だけ!!』


なのに!!

何故居ないの?


私は相当焦っていたのかもしれない?

私は真也の姿を追い求め、必死で周囲を探していたから全く気付かなかった。


突然


「麗香~会いたかった~」


って私より背の高い女性に突然抱き締められた。

ちょっと幼さの残る顔立ちで・・

長い髪は後ろでツインテールに纏めていて・・

お化粧は、薄いピンクのリップをしてるくらいだけど・・凄くお肌も綺麗で超~美人


『え・・え・・えええええ~~ぇ、私の知り合いにこんな女の子居たっけ?』


って混乱中の私に


「う~~~ん、やっぱり麗香成分が不足してたんだ~~麗香に抱き着いてると落ち着く~」

って私の顔に彼女の顔をスリスリしてくる

『この女の子凄く馴れ馴れしいし・・一体誰?』


そう思っていたから表情に出ていたんだろうな

彼女は私の耳元にキスをする感じで唇を限りなく寄せてきて、小声で


「もう忘れちゃったの~私超~~傷つくんだけど麗香!!。私、真也・・だよ!・し・ん・や!!」


って囁いた!!

「ええ・・」

私が驚いて声を上げかけたのを強引に真也に口を押えられてやっとその悲鳴を飲み込んだ。

まさか、真也が昨日悪戯で着せた服をアレンジして今日少女のように着こなしてくるとは思ってもみなかった


『もう似合いすぎよ!!似合いすぎ!!何処からどう見ても清廉な美少女』


普通の男なら一発でこの姿を見たら落ちちゃう事確実

「どうしてその格好できちゃったの?」

私は今度は逆に彼女の耳元で小さく囁いた


間所は少し考えるように首を傾げ

「だって何を着て行こうか迷ってたら、麗香を抱き締めたくなっちゃって~麗香の着けてた下着と服に包まれてると凄く幸せな気分になったから、そのままきちゃった~」


って言った瞬間真っ赤になって私に抱き着いて来た!!

『何!!何!!何!!何!!何!!~~私が着けてた下着と服って~~~~~真顔で、それもそんな表情されて言われると超~恥ずかしいんだけど!!』


もしかして・・

真也の悪戯よね?

今度は私を驚かそうとしてるんだわ!!


『悔しいな~しほになった真也の姿、凄く綺麗だから怒れない・・』


私も乗ってやろうじゃない!!

「しほ、凄く可愛い~凄く嬉しいわ。じゃ~時間無いから私の車で直ぐに出掛けましょ。私についてきて」


って彼女の姿のしほの手を引いて駐車場に連れてゆく。


つづく・・・

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