第20話 それから



「あー!」



 翌朝、俺とミュゼルさんがリビングルームにいないことを怪しんだアマンダさんとマーリンさんに、裸になって同じベッドで寝ている俺とミュゼルさんが発見されることになる。



 ミュゼルさんの部屋に入ってきたアマンダさんとマーリンさんが、同じベッドに寝ている俺とミュゼルさんの姿を見つけたときにあげたの叫び声で、とある激しい運動をしたことで疲れて寝ていた俺とミュゼルさんの二人は目を覚ました。



「……ちゃんと責任とってね♡」



 慌てふためくアマンダさんとマーリンさんを尻目に、ミュゼルさんがベッドの中でしなやかに俺の腕に抱きつきながら、耳元でいたずらっ子のようにささやいている。狙っていたイタズラが見事成功をしたような、そんな嬉しそうな笑顔だった。



 そしてすぐに、麗しの庭園の誓い三人組による緊急会議が開かれることになる。パーティー結成以来一番白熱し、一番修羅場になった話し合いだったそうだ。何故か俺には、その話し合いへの参加は禁止されていた。



 そして女同士の話し合いにより、三人とも俺と正式にお付き合いをすることになった。



 俺は異世界に来てすぐに、麗しの庭園の誓い三人組を全員堕としてしまったというわけだ。



 ミュゼルさんに求婚をしていたデュークについては異世界辞典で調べてみたところ、彼が住んでいる街の領主と敵対的な関係だということが分かり、俺は匿名でこっそりとデュークが行っている犯罪行為についての密告の手紙をその領主に出しておいた。



 普通なら中々調べることが出来ないデューク商会の帳簿の不正等も、異世界辞典のスキルを使うと簡単に調べることが出来たからだ。実は異世界辞典のスキルが、一番やばいスキルなのかもしれない。俺が何でも秘密を調べられる能力を持っているとバレると、権力者からあっという間に命を狙われることになるだろうな。



 やはり、邪神の使徒がこの世界では危険視されているということが分かる能力だ。



 匿名の怪しい手紙ではあるが、デューク商会が行っている不正の証拠の在り処を手紙に示しておいたので多分大丈夫だろう。



 そして、しばらく時間が経ってから俺がデュークの様子を遠視スキルで覗いてみたところ、彼は無事に牢屋に投獄されていた。これで一安心だ。



 デュークが無理やり奴隷にしていた人たちも、無事に開放をされたようだ。被害者たちには、領主から見舞金も支払われていた。そのお金の出処は、押収されたデューク商会の不正金である。



 これにより、この事件は一件落着となった。



 それからの俺は、麗しの庭園の誓い三人組とのんびりとした日常生活をおくりながら、異世界観光旅行に出るための準備を進めていった。



 俺が主にしたことは、金策である。創造魔法のスキルで作った一般的な品質のポーションを定期的に商業ギルドに売ることで、俺はまとまった額のお金を手に入れることができた。



 邪神さんが俺のアイテムボックスに準備してくれていた金貨100枚等のお金であるが、収入を得ることが出来た時点で、すべて彼に返却をすることした。



 邪神像に金貨100枚、銀貨100枚、銅貨100枚をお供えして返却をする旨のメッセージを送ると、フッとすべてのお金が俺の目の前から消えたのだ。



 誰かに、お金を借りっぱなしってのは気分が悪いからな。貰ってもいいお金だったのかもしれないが、この世界で無事に自立できた証として俺は邪神さんに全額を返却しておきたかった。



 そして俺は麗しの庭園の誓い三人組と何とは言わないが、昼間からねっとりと遊ぶ日々を過ごしていく。



 麗しの庭園の誓い三人組はちょうど大きな依頼を終えたばかりで長期休暇を取っていたようで、彼女たちに休暇の予定がある間は俺は三人と楽しく遊ぶことになる。



 そして今の俺は、創造魔法で製作した馬車の試運転を兼ねて、ミュゼルさんと一緒に街の散策を行っていた。



 俺たちは広場にある馬車止めに乗っている馬車を止めると、しばし、馬車の中でくつろぐことにする。



 ……にゅううううん♡



「……アマネ♡……ここ♡……馬車の中だから♡……ダメだよ♡」



 馬車の中に設置されたソファーに腰掛けながら俺が魔力リンクを使ってミュゼルさんにいたずらを仕掛けると、彼女は俺に注意をしながら、まんざらでもなさそうに体を乱し始める。



 そして俺と魔力リンクをしたことで表情をとろかし、桃色の声を出し始めたミュゼルさんに俺は馬車に隠された機能を披露することにした。俺は彼女と魔力リンクを続けながら馬車の壁に魔力を通すと、馬車の内側をマジックミラーモードの透明な状態にしてしまう。



 「――えっ!?」



 馬車の中にあるソファーで俺とイチャイチャと遊んでいたのに、突然、馬車の壁が透明になり、室内から外の景色が丸見えになってしまったことに驚いたミュゼルさんが目をパチパチとさせている。



 実は室内からは外が丸見えだけど、外からは馬車の中がまったく見えないというマジックミラー仕様なのであるが、そんなことを知らないミュゼルさんは俺と体をまさぐり合って少し着崩れたツナギとタンクトップ姿で慌てふためくことになった。



「……まって♡……アマネ♡……みんなに♡……見えちゃってるからぁ♡」



 突然、馬車の壁が透明になり外の景色が丸見えになっても依然として魔力リンクをやめない俺をミュゼルさんは必死に止めようとするが、俺はそのまま彼女への魔力リンクを続けていく。



 そしてミュゼルさんは街行く人に俺たちの行為が見られていると勘違いをしたまま、体に魔力解放を引き起こした。彼女は恥ずかしそうに俺の体に両手でちょこんとしがみつきながら、必死に周りの視線から自分が魔力解放をしている姿を隠そうと努力をしている。



「……そんにゃぁ♡……ボクの恥ずかしところぉ♡……みんなに見られちゃってるのにぃ♡……アマネに♡……イかされたぁぁぁ♡」



 ヒク♡ヒク♡ヒク♡



 小さい体をフルフルと震わせ、快感に両肩をゾクゾクとすくませながら、ミュゼルさんが知ってはいけない禁断の快楽を知ってしまったようなとろんとした表情で俺の体にピッタリと抱きつき、魔力秘孔を気持ちよく痙攣させている。



 ダメなのに止まらない。自分の体から勝手にあふれ続ける危険だけど甘くて心地いい快楽に、彼女は振りまわされてしまっていた。



「――アマネのバカ!」



 そしてミュゼルさんに種明かしをした俺は、彼女から猛烈に怒られることになる。しかし整備士女子な彼女の興味はすぐに、俺の馬車に搭載されたマジックミラーモードへと移ることになった。



 ミュゼルさんは物珍しそうな顔になると、何度も馬車の外と内部を出入りすることで本当に馬車の内側だけが外から見えないことに驚きながらも、きちんとそのことを確認している。



 しばらくすると、馬車の中の様子が外に見えないと確信に至ったミュゼルさんがニコニコ顔になって、馬車内のソファーに座ってくつろぐ俺に近づいてくる。どうやら、彼女の心に準備が整ったようだ。



「……なにこれ♡……すっごい♡……興奮する♡」



 そして夕方になるまで、俺とミュゼルさんはマジックミラー馬車の中でとあることをして気持ちよく遊ぶのであった。



 ちなみに、このことをミュゼルさんから報告を受けたアマンダさんとマーリンさんとも、後日、俺はマジックミラー馬車でとある遊びを楽しむことになる。



 そのときの彼女たちの反応も、それぞれ記しておくことにしよう。



「……アマネ♡……これ♡……すっごい♡……あっ♡……あっ♡」



「――アマネぇぇぇ♡――これ♡――やっぱり無理ぃぃぃ♡――恥ずかしいからぁぁぁ♡……あっ♡……あっ♡」



 ヒク♡ヒク♡ヒク♡



 こうして、俺の楽しい日常がまったりと過ぎていく。



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