第25話 夢のある世界

俺は今かなり緊張している。涼音のためと今回の記者会見の手伝いをすることになったのだが、ちょっと後悔している


「初めまして、爽侍くん」


「はー、どうも・・・」


「あー、私はねそこの涼音のマネージャーの美樹と言います」


「あ、そうだったんですか。よろしくお願いします」


この人が美樹さんか、いつも電話だけだったからなー。声だけでは想像がつかなかったけど、かなり綺麗な人だな


「あ、何?ジロジロ見ちゃってもしかして見惚れちゃったりした?」


「なっ・・・・・」


「ちょっと爽侍くん?もしかして年上が好みだったりするんですか?」


「え?いや・・・・」


ちょ、まじか・・・顔は笑ってるのに目が笑ってねー、なんか本当に性格変わっちまったんじゃねーか?


「涼音・・・あんたそんな顔できたのね・・・」


「え?何かおかしかったですか?」


「おかしくないよ、じゃ爽侍くんは私と一緒にきてもらうわよ」


「はい、よろしくお願いします」


「うん、頑張ってね爽侍くん」


「ああ、頑張ってくるよ涼音」


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「基本的に爽侍くんにやってもらいたいのは、涼音のそばにいて何かあったら守って守るってことでいいかな?」


「そんなことでいいんですか?それなら警備員とかでいいんじゃ・・・」


確かに、俺はある程度体を鍛えてはいるけど・・・


「もちろん、警備員は配置するわ。でも、それとは別に信用できて動ける人が必要なのよ」


「そうなんですか・・・」


「昔ね、警備員の中にそういうやつがいたことがあってからそういう規則になってるの・・・」


マジかよ、守ってもらう人に敵がいたら・・・マズすぎだろ


「あとはちょっとした雑用かしらね」


まー、そのくらいなら・・・涼音はそんな大変な環境で仕事してるんだなー、大変だなまったく


「じゃあ、早速・・・会場の下見をしたいんですけど」


「あら、用心深いのね・・・わかったわ、じっくり見てちょうだい。まだ誰もいないはずだから」


「はい」


ガチャ


うわ、なんだこれ・・・ひっろ・・・


「広いですね」


「ええ、今回はちょっと大規模になりそうだったから・・・一番広いところを取ろうとしたんだけど間に合わなくってね」


これで一番じゃないのか・・・


「それで今回はYou○ubeでの生配信もすることにしたの・・・何人見ることになるか分からないから・・・ちょっと不安なところもあるのよ」


確かに、生放送ではテレビと違って数がはっきりわかるからな・・・


「涼音と記者席の間がかなり狭いですね」


「そうなのよ、危険だって行ったんだけどたくさん人を呼びたいからって・・・ね」


「んー」


ちょっと前に注意した方がいいかもしれないな


「じゃあ、次は涼音の控室ね」


「そうですね」


「そういえばどうなの?」


「何がですか?」


「何がって、私は一応涼音から全部聞いているのよ?」


「ああ、そのことですか・・・でもいいんですか?」


「何がです?」


「だって、こんなに有名な彼女とそういう関係になるってことがですよ」


「ああ、そこら辺はうちの事務所寛容だから」


「そ、そうなんですか」


「ええ、そうじゃなかったら涼音をあなたのところに行かせたりしないわよ」


「確かに」


「あ、ついたわね」


コンコン


「はいるわよ」


「はい、大丈夫ですよ」


ガチャ


「着替え終わってるみたいね」


「はい・・・あっ」


「よう、涼音準備終わったか?」


「は、はい・・・それで、どうですか?」


「どうって・・・いや、そういうの初めて見たけど・・・すごく似合ってるよ、可愛い」


「しょ、しょうですか・・・」


「ああ」


こうやってみるとほんと別世界だよなー、一瞬誰だかわかんなかったよ。メイクってすっげなー


「ほら、イチャイチャしてないで打ち合わせするわよ」


「は、はい・・・」


「それで、開始時間は・・・14時でよかったんですよね」


「ええ、大丈夫よ」


「じゃあ、あとは・・・」


「ええ、私は色々やってくるから」


「はい、俺はここにいますから」


「はい、爽侍くんと一緒に待っています」


「そ、そう・・・変なことはしない様にね」


「そんなことしませんよっ‼︎」


「ならいいけどね」


こういう話をするとこんな反応するのか・・・新しい発見だな



記者会見直前控え室において時間まで二人きりで過ごす二人だった



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