五人目 貧乏神
学校生活もなんとか順風満帆に回っている。
和心くんともLINEで繋がり不安定な俺の心の支えになってくれている。心強い。
大守さんはウサギの尻尾みたいな髪を耳の横でピョコピョコさせながら最近では女子の間を行き来する事が多くなった。手作りお菓子を振る舞い、恋の悩みを聞いたり、明日の天気を予報したり、俺の行動を見張っていただけの日々を少し懐かしくもあるが嬉しく感じる。それでも、俺が困ると「鬼のクセに馬鹿!」と言っては手を貸してくれる。基本、根は良い人なのだ。
今の悩みは…。
金色の髪をグルグル巻いて、爪を伸ばし、顔はまるでキャンパスみたいに色んな色で彩られて華やかな慈。
慈の笑顔は変わらない。だけど内心は焦っているのでは無いだろうかと不安になる。
廊下を歩くだけで華々しいオーラが散る彼女の元へ駆け寄る。いつも「チ〜ス!」なんて運動部みたいにあちらから声を掛けてくるが今日は俺が「大丈夫か?」なんて「らしく」ない一言を掛けた。
「あれ?今日、いつもとなんか違う…。」
何か違和感を感じてポツンと言うと、眉を指差し、「眉の書き方、変えました〜!」大発表みたいに言ってくる。苦笑を見せる。
「今度〜、夏に向けての新色出るんだって!チークにもリップにも使えて〜、超良くない?」
スマホでその「新色商品」らしき画面を出して笑って見せる。
良いのかどうかは判らないが慈が良いなら
「良いんじゃないのか。」
と思う。
そんな俺達の横をガリガリに痩せこけた、古臭いデザインのワンピースを着た女性が通り掛かった。
俺は背筋が伸びた。
「貧野センセー!貧野センセー!こんちわわ!」
慈は嬉しそうに声を掛ける。
声を掛けられた彼女は亡霊の様にユラユラと此方を向いた。
その動きが余りにぎこちなくて、この人はネジ巻き式で動いているんじゃないだろうか…と疑う程だ。
「高屋敷さん、今日の授業も真剣に受けてくれて…………」
思わず「は?」と言いたくなった。
段々声量が小さくなるその声に苛ついたのと、真剣に授業を受けるなんて当たり前の事じゃないか!と思ったからだ。
だが、慈は貧野先生の手を取るなり
「当たり前!外れ後!ワタシ、貧野センセー大好きだもん!」
手をブラブラと横に振った。
(慈の言った運命の人ってまさか…!)
その、冴えない暗気な顔を見詰める。申し訳無いが自然と眉間に皺が寄る。居るだけで不快になる不思議な存在だ。
センセーは、ペコペコと何度も頭を下げて慈から離れた。
「おい!まさか…お前の言ってた…「ワタシの力とあの人の力、どっちが強いと思う?」
慈の視線は貧野先生の背中に釘付けだ。
彼女の背中を見詰める。
古めかしい畳の匂いに、ジメリと付き纏う不快な感触。
「貧乏神…。」
慈が呟く。
もう一度、彼女の背中を見詰める。
「貧乏神に恋する座敷童子ってなんかキャラ立たない?」
ニマリと微笑って見せる慈に何も言えなかった。
貧野先生からは「何か」は感じていた。
けれど不愉快過ぎて観察する気にもならなかった。
大守さんだって貧野先生については何も言わない。
否、慈の事も言ってこない。
大守さんはヒトに害を及ぼすあやかしにしか反応しないんだろうか。
いやいや、俺は自分で言うのもなんだけどヒトに害を及ぼした覚えは無いし、それなら貧野先生の方がよっぽど鼻に付くだろう。
クラスメートと愉しそうに会話する大守さんの横顔を見詰めた。
「古文の
席にブラリ立ち寄った大守さんに聞いてみた。
彼女は興味無さそうに眉を上げて
「貧乏神なんかには近寄らない事ね。」
口をヘの字に結んだ。
やはり大守さんは気付いていたのだ。
「やっつけよう!とは思わなかったの?」
いつもの彼女なら勇んでそう言うだろうに…。
「一応、『神』なのよ。それに触らなければ障りはないの。関わらなければこっちに外は及ぼさない。そういう類の妖怪も存在するんだって私、学んだのよ。だから放置!」
それなら俺の事も放っておいてくれたら良かったのに…。なんだか納得出来ないまま、貧野先生というヒト柄を考えてみる。
声が小さいので授業中も何を言っているか聞こえないし黒板の字も薄くて読み辛い。
どう考えたって教師には向かない。
給料が安定してるから公務員になりたかった…とかなら役所で働けば良かったんだ。
謎が謎を呼ぶ人物だ。
科学の授業の為、教室を移動していると、花園先輩が飛び付いてきた。
「うわ〜ぁぁっっ!」
色んな意味を込めた叫びだった。
「鬼倒くん、久しぶりだね。なんか最近私…避けられてる気がするんだけど…クスン。」
気ではなく、完全に避けていた。
先輩を引き剥がしながら
「余り会う機会もなくなりましたね。
まぁ、学年も違うし部活が同じな訳じゃ無いし…。」
遠回しに断った。
「最初はちょっと気のある空気出しといて急に冷たくするなんてヒドイよ…。」
確かに、最初は可愛い人だと思った。
でも…
「淫魔!!
鬼倒くんから離れなさいよ!」
思わぬ助け舟がやって来た。
耳の上で髪の束がぴょんと跳ねる。
「私が淫魔ってどう言う意味〜?」
そのストレートな物言い…。花園先輩も怒るに決まっている。
「淫魔に淫魔って言って何が悪いのよ!
私にはアンタの正体なんて丸見え!スケスケなのよっ!私は安倍晴明正統継承者大守御護!総理大臣は騙せても私は騙せないわよ!」
そう言うなり、彼女は左手の中指と親指で輪を作り、右手で隠すなり
「急急如律令《きゅうきゅうにょりつりょう》!!」
と左手を右手から抜き取った。
前からガツンと頭を殴り上げられたような感じがして体勢が後ろへ反れた。
花園先輩は悲鳴を上げるなり、俺にしがみついて来て、丁度、俺が反り返っていた事もあり二人でそのまま階段を転げ落ちた。
意識が浮上してくると二人の会話が耳に入ってきた。
「アンタ、なんなの?お母さんは淫魔でお父さんが疫病神とか?なんで鬼倒くんの周りを彷徨くのよ!」
「アナタこそしょっちゅう鬼倒くんの周りをチョロついてるけど鬼倒くんの事、好きなんでしょ〜?」
「ど、ど、ど、ど何でそんな発想になるのよ!全然そうじゃないし!
鬼倒くんは私の獲物なのっ!鬼なんて力の強い妖怪を捕まえる事が出来たら絶対に一人前として認めて貰えるもん!だから私は鬼倒くんに張り付いてるの!」
大守さんの動揺に胸がドキリと高鳴り、否定に何故かショックを感じた。
「鬼倒くんは一人前じゃないわよ?半妖よ?一人前を狙うなら鬼倒くんのお父さんを狙えば?」
(最もだけれどそう言う問題か…?)
気付かれない様にソッと横向きになった。
「はぁ?あのクソ口悪い阿呆親父???
ある意味確かに鬼だけど私が求める鬼像とは掛け離れすぎてるの!」
確かに大守さんには「臭い」発言連発した上、大守さんの式神を自分の子分の様に扱っている。親父が大守さんから「阿呆親父」呼ばわりされても当然だ。
「ワタシなら全然、受け入れちゃうけどな。」
「アンタは淫魔だもんね。相手がどんな阿呆でも馬鹿でも淫魔ならなんでもイケるんでしょうけど私は無理。あんなの倒しても唯の名折れよ。」
蔑んだ大守さんの言葉に拍手を贈りたくなった。もし、大守さんが将来アイドルになる様な事があったら俺は一番のファンとして支え続けよう!と固く誓った。
「この学校、たいした妖怪居ないんだもん。農業科の泥田坊とか、一Aの豆狸とか絶対に嫁に行きたくないランキング上位の妖怪じゃないの!ニCの
大守さんもあやかしチェック凄いと思ったけど花園先輩の男のみあやかしチェック半端ない。泥田坊や豆狸や目目連なんて気付きもしなかった。
「あ!!」
思わず飛び起きた。
「「きゃー!!」」
二人が飛び上がった。
「何よ!鬼倒くん!ビックリするじゃない!いつから気付いてたのよ?」
批難めいた大守さんの声に「ごめん…」一言入れながら
「花園先輩!紹介したい人が居るんでした!」
ベッドから飛び降り先輩に笑顔を向けた。
「え…?ほん…とう?」
花園先輩はまるで初対面みたいな全くの他人に成り済まし口元を隠しながら恥らってみせた。
「はいっ!可愛くない!」
大守さんがパンッと大きな音を響かせて俺達の間で手を打った。
「本人の許可を得て、オッケーならLINE IDでも教えられますよ。ちなみに彼は俺と同級の天狗です。外人顔のチョーイケメンですよ。」
先輩はキャーキャー言いながら大守さんの首に抱き着いた。
「お昼に詳しく教えてくれる?」
花園先輩も乗り気だ。何か良い感じで助かる。
「構いませんよ。」
「私も!私も行くわ!」
大守さんは相変わらず俺達の間で腕組みしていた。
中庭に向かう途中、慈を見掛けたので声を掛けようとすると気分が滅入る様な重苦しい空気に晒されて黙り込んでしまった。
慈の隣で手を洗う存在に納得した。
「だから私…新しい住まいを探さなきゃいけなくて…ネットカフェにでも泊まろうかな…って…。」
「ネットカフェなんて危ないわよ。ご親戚とか近くに住んでな………
この場合友達でもかま…………。」
相変わらず語尾が聴き取りにくい。苛つく。
多分、慈は俺が隣に居る事には気付いているんだろうが貧野先生と話す事に夢中なのだろう。
貧野先生の陰気だが必死に慈の相談に乗ろうとする姿勢だけは好感を持てた。
「お待たせ。」
中庭に向かうと花園先輩と大守さんは既に口論を始めていた。
「可愛いとか綺麗とか以前に先輩は女に嫌われるタイプの女なの!」
相変わらず大守さんはバッサリ行く…。
「女子に嫌われたって良いも〜ん。結局私が欲しいのは太くて長くて堅いモノだしっ。」
(この人も露骨だな…。)
ジットリと横目で軽蔑の眼差しを送りつつ自分の弁当の包を解いた。
「で?で?その私の王子様ってどんな人?」
淫美キャラから一転、夢見る乙女に早変わる。
「神様として崇められているだけに天狗って扱われ方が違うなぁと思いましたよ。彼はそう言うお高く止まってる感が全然無くて話し易い人当たりの良いヒトですよ。」
両親はどうかと思うけど…と言うのは言わない。
「え〜…デートに誘ってみようかな〜。何処が良いと思う?映画?カラオケ?」
デートなんてしたこと無い俺には縁遠い話だと聞き流す。大守さんが代わりに
「水族館か動物園。」
と答えてくれた。
「そんなの子供っぽすぎる〜!暗がり!暗がりの方が彼が手を出し易いでしょ?」
俺の友達なら
「どっかに食べに行けば良いじゃないですか?」
俺の基本、「誰かと食事するのは『楽しい』」を提案してみる。
「やだ〜!食べる所ヒトに見られるの恥ずかしいじゃない?食べ方汚いとか、良く食べるとか思われたくないしぃ。」
花園先輩は例の野菜たっぷり弁当に箸を刺す。
「和心くんは良く食べますよ?運動部なだけあるし、それより先輩、もうちょい肉食べた方が良いですよ?肉喰うから太るとかじゃなくてバランスよく喰わないから太るんですよ。」
花園先輩は、難しい話でも聞いているかのように首を傾げてポカンと口を開けた。
「でも私、野菜食にしてから2キロ落ちたよ〜。」
「逆を言えば野菜しか喰ってないのに2キロしか落ちてないんですよ?たったそれだけの成果しかあげないなら俺ならそんな食べ方即止めます。」
そう言いながら母の鶏の照り焼き弁当を口にする。
「だって私〜甘い物好きでしょ?だからせめてお肉は控えなきゃって思ってるワケ。」
先輩が甘い物好きなんて知らない。
初耳だし知らなくても良い情報だが
「それなら甘い物止めれば良いのに…。」
と思う俺。
「やだ〜!バカバカ〜!可愛い女の子は甘い物で出来てるんだゾ!」
先輩が覆いかぶさってきた。
「じゃあアンタは糖と脂で出来てンのね?」
大守さんが先輩の首根っこを後ろから引っ張ってくれた。
「んも〜ぉ!そんなどっかのCMみたいな言い方っ!言い方が可愛くないゾッッッ!」
そう言って花園先輩は大守さんの胸を人差し指でツンと付いた。
「ひぁっ!」
ピクンと跳ねた大守さんの声に俺は顔が上げられなかった。
いつもの怪訝な顔からは到底想像も付かない甘い声だったからだ。
弁当箱を掴むと、無心で飯を頬張った。
笑顔のクマのハンバーグも、口を開けた
俺の周りは本物のあやかしだらけだ。
座敷童子に貧乏神、九尾狐に淫魔、天狗…そしてお目に掛かった事は無いが泥田坊に目目連に豆狸。
クラスメートの百々目鬼もどきも実は本物なのかもしれない。俺が見分けられないだけで、本人が知らず生きてるだけで…。
「ねぇ、君ってあやかしでしょ?」
なんて誰が聞ける?
きっと自分の正体に、自分のルーツも知らずに人間として馴染んで溶け込んでいるだけなのかもしれない。
時に事実が真実を覆い隠してしまう事だってある。
自分に角があるがばかりに俺は自分を鬼だと知っている。知らなければ、角が無ければ…唯の力の強い喧嘩馬鹿で終わっていたかもしれない。それはきっと今よりずっと不幸で不憫だ。
突如、空から高音が響き渡り思わず空を仰いだが二人は気が付いて居ないようだった。
コウモリ避けか、犬笛か。
こうやって俺は人間でありながらやはり鬼の部分もある。
「あ、和心くんにはLINE ID教えても良いって言われてるので教えますね。」
「やだ〜!やだ、やだ、やだ、やだ〜!!」
花園先輩は大はしゃぎで大守さんを何度も叩く。
大守さんが鬱陶しそうに手を避けながら
「嫌なんだったら止めれば?」
冷たく言い捨てた。
「その『イヤ』じゃな〜い〜!嬉しすぎて堪らない時の『ヤダ』!」
判りにくい。
俺が表示したLINE IDを穴が空きそうな程見詰めて、何度も確認して、花園先輩は「はじめまして」とハートのスタンプを送った。
「相手、『お前、ダレ?』って思ってるでしょーね。」
大守さんはどんな時でも鋭い。
「先輩、名乗ってないですよ?」
先輩は名前を名乗るのも忘れる程緊張している様だった。
いつもはグイグイ来る先輩の可愛い一面が微笑ましい。
送信して、「ホウ…」と熱い溜息を零し、既読が付くのをジッとスマホの画面が割れそうな位見詰めている。
やがて既読が付いた途端、先輩は胸を押さえて俯いた。
俺と大守さんは構わず弁当を食う。
シャリシャリーンと、何かキラキラした物が煌めく音がした。
「すっごい通知音。」
大守さんはそれだけ呟いてパック牛乳を吸い上げた。
「読まないんですか?」
先輩は顔を上げない。
「だって…いきなりはじめましてってLINE送る女の子の事…どう思ったかな。
三桁と寝る女とか思われたらどーしよ…。
もっと歳上っぽく丁寧な挨拶の方が良かったかな…。
本日はお日柄もよく…みたいな…。」
(先輩って…実は凄いネガティブなんじゃ…。)
「俺なら、お日柄も良くっていう冒頭のLINE来たら速攻ブロックですよ。
そんな事より名前を名乗り忘れた事を気にして下さいよ。」
「ホラ、どんな文章が来たのか見せなさいよっ。」
大守さんがスマホを手にしようとした途端、先輩が顔を上げてスマホ目掛けてスライディングしてきた。
「駄目よ!駄目駄目!!彼の童貞LINEは私が読むの!」
先輩の「恥ずかしい」の定義が謎。
「初めまして、…もん…わごころです??」
こんな緊迫した女性の顔を俺は今まで見た事が無い。真に迫る…とはこの事だ。
「読めないでしょ?俺も最初読めなかったんです。あんもなごみくんですよ。」
そう言うと
「『「ナゴミ』って言うのは岩手県の南部に小正月に怠け者のすねに出来る火まだらってやつをはぎとる天狗の事を言うの。『ナゴミタクリ』とも言うわ。『アンモ』は五月十五日の月夜の晩に太平洋から飛んでくると言われている天狗。」
と、大守さんが人差し指を立てた。
「あんもなごみくん…素敵な名前〜。響きに運命を感じると思った〜。」
(和ごころって読んだくせに…。)
「お返事返すね〜。あ〜!どうやって打ったら『足りない』感じになるかなぁ。大守ちゃんならどう返す?」
「はぁ?アンタ、私を足りない扱いしてんの?良い度胸じゃないの!」
大守さんは先輩を先輩だと言う事も忘れている様子だ。
「大守さんならどう返すって意味じゃない?」
そうアドバイスすると大守さんは眉間に皺を寄せ
「自分の名前名乗ってこれから宜しくお願いします、で良いんじゃない?」
面倒臭そうにそう答えた。
花園先輩は少し不服そうに
「そんな文章で勃起する?」
と身を乗り出してきた。
先輩は、結局目的は一つなのだ。行き着く話題はどうせコレしかない。可愛こぶっても自分を偽ってもいつかは出る「地」ならバレても仕方ないだろう。俺からは「淫魔」だと言う事も伝えてある。
その上で付き合おうが止めようがそれは二人の問題。先輩の能力不足と言うか魅力不足と言うか、御縁が無かったと言うか…そう言う事だ。
先輩は必死に自分の言葉で返事を返していた。
俺は大守さん手作りのレーズンバターサンドを頬張っていた。
先輩のシャリシャリーンで、先輩が嬉しそうに微笑った。
上手くいきそうな様だ。
大守さんに笑い掛けると大守さんは小さく
「つまんない…。」と呟いた。
部活上がり、スマホを確認して俺は又、笑みを零した。
〈桃次くん、有難う!今日部活上がりカフェでお茶する事になりました。超緊張してます。又夜、LINEするよ〜!!〉
真面目な和心くんらしい報告だった。
きっと先輩には振り回されるだろうけどきっと和心くんなら巧く立ち回れる…そんな気がした。
駅に向かう道すがらピンクのパーカーが歩幅を合わせて隣に引っ付いてきた。
花園先輩じゃない。
不審に思い顔を上げると、随分上に顔があって驚いたと同時に咄嗟に声が出なかった。
ピンクのパーカーは被っていたフードを上げ、穏やかな眼差しを見せると
「また背が伸びたんじゃない?桃次郎。」
何処までも優しい高めの特徴的な声質で褒めてくれた。
腕にはバングルやシルバーの連なるブレスレット、そして、手の甲まで施された入れ墨。
幼い頃からずっと変わらない大好きなその腕に飛び付く。
「陽溜!!どしたの?仕事で人間界に来てた?」
陽溜は俺のスポーツバッグを持ってくれたが「重い…」と簡単によろけた。
指や手首にはシルバーや動物の皮で造ったアクセサリーをジャラジャラ言わせながら陽溜が陽気に隣を歩く。俺のスポーツバッグは重くて持てなかったので代りに通学鞄を持ってくれた。これも「重い」と言っていたがどうしても「持ちたい」と言う。
「お昼に桃太郎からのSOSあったでしょー?結構盛大な悲鳴だったんだけど…。鬼倒家に最大勢力の嵐が来てるから助けてくれって事だったけど桃次郎は聴こえなかった?」
あの高音は犬笛ではなく親父の叫び声だったのか…。親父が陽溜を呼ぶとなると母は相当お冠と見た。
「なんかキーンッてのは聴こえた。」
陽溜が愉しそうに肩を揺らして笑う。
「キーンかぁ。そっか、人間の血が混じっちゃうとキチンと言葉としては聞こえないんだね。
かく言う俺も、聴こえていながら小鬼捕まえるの必死でこんな時間になっちゃったよ。どうせなら桃次郎に会いたいなって待ってて良かったよ。一緒に帰れる?」
陽溜が愉しそうに片眉を上げて笑ってくる。
無論、断る筈はない。俺は陽溜が捕まえる風を昇るのが大好きだった。
陽溜は金棒が持てない。力も弱く、鬼としては「役立たず」「劣等生」の称号を得てる。その為陽溜は漢字を操ると言う異能を身に着けた。
一番の力は「ヒト」の名前だ。名前には想いが込められていてそれが大きな力になるのだと言う。
陽溜は耳に風のピアスを付けている。こうやって風の路を創り、駆け上がる事が出来る。
「幼い頃にはこうやって良く散歩に連れてって貰ったよね。勉強が忙しくなってなかなか行く機会が無くなったけど又、こうやって走りたいな。」
俺の言葉に陽溜は何も応えない。
「仕事、忙しいの?」
そう尋ねると此方を振り返り穏やかな目許を緩めて
「忙しいと言うより歳だからねぇ、思うように身体が動かなくてスピードが追い付かない事があるんだよ。
でも小鬼は可愛いし、基本は楽しんでるよ。」
いつもの様に微笑って見せた。
「桃太郎は口は悪いし態度もデカイから相手するのも大変でしょ?ごめんね。俺がもっと傍に居て育ててやるべきだったんだよね。むかしっから閻魔様の仕事を最優先してきたツケだよ。本当に、あの子にも辛い想いをさせた。あんなに強がって虚勢張るしか自分を表現出来ない子になっちゃった。基本は淋しがりで怖がりなんだよ。本当は凄く優しくて良い子なんだ。父親は居ないし、母親は遊び回ってるしでお婆ちゃんだけが唯一の家族だったからね。凄く凄く不安定にさせてしまったと後悔してるよ。本当に俺のせい。本当にごめんね?桃次郎。
人間界に来て、こうやって同じ仕事して時間を共有出来るようになってあの子への償いも出来てるかな、と思ってたのに残念だよ。結局、どんなに想っても想いが完全に伝わる訳じゃ無いんだなぁ。
桃次郎、桃太郎の事で悩んだら鬼ノ国の
桃太郎が余りに目に余る事した時は俺が来られる時はお尻ペンペンに来るから!」
陽溜はひたすら真直ぐ前を向いたまま俺に話し掛け続けた。
「陽溜、どーしたの?なんか今日ちょっと変じゃない?」
いつもよりお喋りだ。
陽溜の背中が何故か判らないがやけに孤独に視える。
「陽溜!?なんかあるの?」
思わず背中に問い掛けた。
「俺はもうすぐあえなくなる…。だから今やれる精一杯はしておこうってね。」
風が俺の前髪を撫でた。
陽溜の手の様に感じた。
いつも綺麗な日本語に拘る陽溜の言葉に何か引っ掛かった。
「俺はもうすぐ会えなくなる」…?
「俺達は」じゃなく「俺は」…その言い回しが何故か引っ掛かった。
「仕事忙しそうだからあんまり会えないかもだけど俺も高校卒業したら親父の仕事、手伝うから…会えないとか言わないでよ。」
気付かないフリをしてそう語り掛けた。
陽溜は「フフフ」と笑いを零して
「桃次郎は優しいよね。そんな桃次郎が大好きだよ。」
俺を振り返って優しく微笑んだ。
いつまでも変わらない瑞々しい陽溜の若い声が耳に、脳に、心臓に、震えた。
「ぴだば〜〜〜〜〜!!!!」
家に帰ると、涙と鼻水でグチャグチャの親父が陽溜に飛び付いてきた。
「陽溜さんに助けを求めるなんて!卑怯な人!!」
母が後ろで腕組みしている。
母のウェービーな髪が今日はヘビに視える。
「陽溜だぁ!」
「陽溜抱っこ〜!」
「わ〜い!会いたかった〜!」
「ひまま!しゅき〜!」
居間に集っていた弟、妹達が各々陽溜に飛び付く。陽溜は皆を抱き抱えたまま親父の元へ歩み寄った。
「桃姫さんが朝からどんなに謝っても許してくれないんだ〜!!」
「あ〜ぁ…。」
陽溜が縁側や座敷を一巡して一言呟いた。
そこかしこ穴だらけだ。
親父が土下座して角で空けた穴だろう。
「雪女のイカガワシイ店でお酒飲んでイチャついて帰ってきたんだもん。死刑でしょ。」
桃李はチョコレート菓子に噛り付きながら冷酷に言い捨てた。
「イチャついてませんんん〜!隣に座ったダケ!あっちが父ちゃんの生まれた頃からの相棒の甘えん棒に触っただけ!父ちゃんは何もしてません!大体、庵門が飲みに行こうって連れてった店なんだからどんな店か父ちゃん知らなかったし!付き合いなの!」
(全てに於いて言い訳くさいな…。)
皆の視線が冷たい中、桃士だけはゲラゲラ笑っている。
「『付き合え』って言われたら一緒に死ぬの?」
(母もまた子供みたいな事言い出した…。)
呆れる俺の横で、陽溜が暫し顎に手を添え、考え倦ねている様子だ。
「桃太郎くんには今日から蔵で寝てもらいますからっ!」
母の言葉に驚いたのは親父だけじゃなく俺もだ。
「なんで別々に寝なきゃいけないの!?
ゼッテェやだよっ!桃姫さんのおっぱいが遠くなるっ!」
母が右手を挙げた瞬間、親父は隣に居た陽溜のパーカーを引っ張り陽溜を自分の身代わりに差し出した。
スパァンという乾いた音と同時に自分の頬を擦りながら首を傾げる陽溜。
「桃太郎くんっっっ!!!私もう本気で怒ったからっ!」
母はズンズンと蔵に向かう。
それを必死に止めるのは親父より俺だ。
もし慈が中に居たら…。
慈と一緒にあらかたの服は片付けた…筈だが、本当にキチンと片付けたか?自分の記憶は確かか?俺は自分を信じて大丈夫なのか?
一つ引っ掛かると全てに於いて怪しくなってくる。疑わしい。
「お母さん!落ち着きなって。親父だって好きでそんな店に行ったんじゃないし、通ってる訳じゃないんだからっ!許してやりなよ?」
俺が親父の肩を持つなんて本当に有り得ない話だ。
母は住まいと蔵を隔てる様に植えてある桃の樹を掻き分けズンズン蔵へ進んで行く。
母が蔵の扉に手を掛けた時、親父を振り返った。親父は桃士や桃恵に付きまとわれ指差してヤジられている。
陽溜がゆっくり歩み寄ってくる。
俺の都合悪そうな顔を覗き込んで口角を上げた。
ガタガタといつもの建付けの悪い音が辺りに響いて扉が開く。
慈は…居ない。
ホッとするのも束の間、心臓が体内を走り回っている様な、あちこちで鼓動を感じる。
母が履き物を脱ぎ、中に入る。
俺は助けを求める様に陽溜に大きく手を振った。
陽溜は軽やかな足取りで一飛びで俺の横に立つと俺の口元に耳を近付けてきた。
尖った陽溜の鬼の耳に手を添え
「座敷童子の女の子を匿ってた!お母さんにバレる!」
と俺が哀願したのと、母の
「何、コレ!!」
の言葉はほぼ同時だった。
母の手にはアイシャドーだかチークだかのパレット。
濃淡様々なピンクが並ぶ可愛いカラー。
「綺麗な色だね!」
眼を輝かせる陽溜の脇腹を突いた。
ドラマとかなら此処でエンディングテーマが流れるのに…実際も、続きは次回!と言うチャンスが欲しい…なんて現実主義な俺でも流石に逃避したくなる一件だ。
さっきまで床に穴空ける程土下座してた奴とは思えない態度で親父は鼻くそをほじくりながら
「何何?桃姫さん。」
親父が桃士と桃恵を引き連れやって来た。
母は無言でメイクパレットを引き出しからどんどん出す。
(引き出しなんてノーマークだった!!)
桃美は慈とは面識があると言っていた。
慈の存在を話したりはしないだろうが桃美が何かの拍子に口を滑らせる可能性だって大いにある。誰も巻き込めない。
慈は俺が匿うと連れてきたんだ!俺の全責任だ。
メイクパレットを手に誰かの告白を待つ母。
仕方ない。俺が全て発端だ。
その場に座り込む。
「親父…母さん…黙っていた事があります。…実は…これは…」
拳に力を込める。
なかなか言葉が喉を通らず、ニ、三度深呼吸をした。
頭の中には既に言葉は用意されている。
後は言う勇気とちょっとした白い眼に耐える強さ。
(慈!!俺の幸運を祈ってくれ!!)
「俺の…趣味です…。」
声は最高潮に震え、言った後、聞こえたのは俺が崩れ落ち、四つん這いになった音だった。
残り物をリュックに詰める俺の横に座って陽溜がアイシャドーのパレットを手に取りながら
「憧れてたんだろうねぇ…。」
呟いた。
「座敷童子ちゃんはきっと桃次郎にとても感謝してると思う。匿ってくれた事、自分の名誉を掛けて嘘の告白してくれた事…。
座敷童子は本来子供の格好を保ってるあやかし。それを成長させちゃうなんて…きっと桃次郎と一緒に大人になりたかったんだ!」
陽溜がおひさまの様に微笑んでくれた。
「憧れていた者にはなれたのかな?」
「うん、めちゃめちゃ大人っぽくなってさ、毎日キラキラしてる。
可愛いなって思う。素敵だなって。良いな、羨ましいなって…。」
其処まで言うと何故か涙腺が緩んだ。
今迄飼っていた犬猫を手放す子供の気持ちを味わう。
「何故泣くの?」
「アイツ…住む家が無いんだ。俺のせいだよ。俺が町まで連れ出しておいて此処で放り出すなんて。」
陽溜が手招きしてくる。
涙を拭いながら陽溜の元へ寄る。
「彼女の為に桃次郎が出来る事って何だろう?蔵にジッと閉じ込めておく事かな。」
陽溜の腕の中で首を振る。
「座敷童子は家に憑くあやかし。『人』に、じゃない。
幸い、彼女はなりたい自分になれた娘。なりたい事を貫き通した娘。なら桃次郎が出来るお手伝いは彼女がこれからもなりたい彼女になる為の力添えだよ。一緒に探してあげなさい。新しい家を。
彼女ならどんな廃墟もボロアパートもお城に変えちゃうよ?」
陽溜の言葉が心に注入される。
グングンと背中を押されて、停止していた思考が動き出す。
慈は貧野先生の所に行きたいと言っていた。きっと貧野先生の家が彼女の「住処」なんだ。
「座敷童子は自分を『高屋敷慈』と名乗ってるんだ。」
陽溜の掌に漢字を書いてみせる。
陽溜はパーカーを脱ぎ捨て、内側に縫い付けたポケットから銀の欠片を手にすると
「愛情厚き思いやり深い人情溢るる『慈しみ』の一文字を持つ『高屋敷慈』。誰からも
陽溜の指は魔法の指だ。
陽溜に掛かれば銀の塊が水飴の様に溶け、形を造る。女の子を意識してか、心の点々がハートになっていた。細かい所は左腕にベルトで停めているキリで削る。
「この文字の上の点々は草なんだよ。それをまとめて糸にした、と言うのが文字の成り立ち。
だから育てるっていう意味が籠もってるんだ。
本当に良い字だ。」
陽溜は人の名前を貶した事が無い。
何だかんだと褒める所を見付ける。
それが陽溜の仕事なんだろうけど…それを聞いているととても落ち着くんだ。
陽溜の言葉は綺麗だから。
人を陥れたり嘘や文句は一切言わない。
だから俺は陽溜と居るとホッとする。
「慈ちゃんに渡して。御守になると良いなぁ。さぁ、慈ちゃんを探しておいで?」
それまで慈を何処に探しに行けば良いのか、学校かと悩んだ俺の頭に「もしかして…」が掠めた。
慈は、俺の部屋でスマホの充電をしながらファッション誌を読んでいた。
無論、外の騒ぎは知っていて、「凄かったねぇ!モモジローの趣味は笑ったわ!まぁ、ほぼ桃美ちゃんのお陰!桃美ちゃんが桃李ちゃんの使わなくなった流行遅れをくれてたんだ!ま、今までバレなかった事が奇跡だって!」明るく笑った。
「行く宛は?」
慈は、「う〜ん…」と頬を染めて
「貧野センセの家を探す!」
いつもの様に微笑って見せた。
「先生の家は判るのか?」
慈は目玉を上に向けたまま
「ニオイで判るでしょ〜ってね!」
右手を挙げた。
慈が俺の部屋を出る時、俺は慈の手に陽溜の御守を落とした。
「名前の力を込めてくれてるからきっと慈を護ってくれるよ。」
慈はそれを大切そうに両手で握った。
「贈り物貰ったの三つ目だ。
モモジローに住処、桃美にはメイク道具、そしてコレっ!」
慈の笑顔が眩しい。
俺は慈の荷物の入ったリュックと制服や下着の入った紙袋数点を手にしていた。
慈は学校のカバンと補助バックを手にした。
「長い間、アリガトー!鬼倒家に幸あらん事を…。」
慈が明るく声を掛けてくれた。俺は嬉しくてまた緩みそうになる涙腺を唇を噛んで我慢した。
学校までは電車で向かった。貧野先生は自転車通勤だからだ。まだ夜風は冷たい。慈にジャケットを掛けてやり歩いた。
学校近くの学生は大盛りにしてくれる優しいカレー屋さんや、気のいいおばちゃんが居るラーメン屋さん、女の子に人気のカフェ等慈はずっと話続けた。
俺は部活ばかりで慈を連れて来てやった事は一度も無くて胸が痛んだ。
慈の話を聞きながらいつまでも、何処までも、慈と歩ける気がしていた。
比較的田舎なこの街にも夜の店の灯りが灯った。
寒さの余り、無意識に慈の手を取った。慈も俺の手を握る。子供の様に小さくて女性らしく柔らかだった。
座敷童子は人間とも鬼とも体温は変わらず温かだった。
「こうやって、思い出つくっておくべきだったな。」
「私は楽しかったよ?たまに蔵に桃美ちゃんが一杯なにかと持ってきてくれて、一緒にカプチーノ飲んだり抹茶とかコーヒー味とかチーズ味のチョコレート食べたの!
悪く無かったなぁ〜。
モモジローの蔵は桃太郎の物が沢山あったのも面白かった。色んな意味で楽しかったよ?」
「それでも、俺はお前との思い出が無い。」
肩を落とす俺の肩を慈が叩く
「忘れたの?私達、隣のクラスだよ?」
慈に慰められてどうするんだ?
安いボロアパートが建ち並ぶ、学生向け住宅の居住区か、二人並んで、立ち止まった。
慈は二階に目を向けて動かない。
「高屋敷さ………」
語尾が消える独特の声。
慈は、唇をへの字にして、
「当てが外れなくて良かったよぅぅ〜!」
先生に抱き着いたまま慈はワンワン泣く。
「先生!助けてっ!行く所がないの!先生と一緒に居たい!迷惑なんて言わないで!邪魔にならない努力するからぁ!!」
慈が子供の様に先生にすがり付く。5歳の時に見た慈より全然子供っぽく感じた。
思わず貧野先生を見詰めた。
陰気な先生が笑顔を向けていた。
雨上がりに太陽が差した様な少しだけ明るい笑顔だった。
「高屋敷さん、疲れたでしょう?
うちにはインスタントのコーヒーしかないし、ポットが無いからお鍋でお湯を沸かさなきゃならないし、お風呂もないから銭湯通いだけどきっと貴女が居れば楽しくなり……………」
やはり語尾は聞こえなかった。それでもきっと慈にとっては良い事を言って貰えたのだと慈の笑顔を見て確信した。
俺では幸せにしてやれなかった、蔵の中の座敷童子。
「私…流行りに疎いし、芸能人も殆ど知らな………教え……。」
貧野先生が頼りなく微笑う。慈はいつもの頼り甲斐のある笑みで俺達を明るくさせた。
「慈!明日また、学校でな!」
俺達は何事も無かったかのように、放課後のように街の賑わいの灯りの下、手を振りあった。
さよなら、なんて言いたくない。言わない。だって、隣のクラスだもんな。隣のクラスに偶々居るあやかし。うちの蔵の住人だった座敷童子。お前の人生に幸あれ!
夜、和心くんからLINE電話があった。
すっかり忘れていたので「どうしたのかな?」なんて思ってしまったが、和心くんは少し部活の話やトレーニングの話をした後、静かに
「香音さん、凄い綺麗だしやっぱ色気半端ないね!俺、一目見て固まっちゃった。
カフェなんか10分程しか居なかった。
俺の方が堪んなくなって…初対面だって言うのにキスしてしまった。
これってマズイよね?」
和心くんもなかなか積極的なんだな…と感心しつつその数万倍嬉しかった。
「いや?相手は淫魔だよ?そんな事で満足する可愛い性格じゃないから覚悟した方が良いよ?」
そう助言すると電話の向こうで呼吸が止まった音が聞こえた。
和心くんが幸せになってくれたら嬉しい。
慈が幸せになってくれたら嬉しい。
幸せになる権利は人間だけじゃなくきっとあやかしにもある。
…そう信じたって良いよね?
月を見上げて夢みたいな事を想ったりしてみた。
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